2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a New Immunochemotherapy for Head and Neck Cancer - Significance of Combination of CTL and Anticancer Drugs
Project/Area Number |
17K11412
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 徹也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40334940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 特務教授 (60109759)
鈴木 進 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70518422)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 頭頸部外科学 / 腫瘍免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、頭頸部がん細胞株として極めて希ながん腫である舌根原発粘表皮癌患者から、手術施行時の細胞株を作成することに成功した。さらに、この患者が2ヶ月後、気管孔周囲に再発時に於いても、同様に組織採取を行い、再発時における細胞株を樹立することに成功した。すなわち同一舌根原発粘表皮癌患者から、初発、異時性再発時の細胞株を初めて樹立出来たことが研究実績の重要なことと考えている。現在、この両者を用いた基礎的研究を行っている。具体的には、両細胞株を用いてそれぞれにおける抗がん薬感受性を、In vitroで検討している。結果、シスプラチンや5FUに対しては耐性を持っていることが判明した。これは実地臨床における、粘表皮癌症例での標準的抗がん薬レジメンが存在していないことを裏付けるものである。更に分子標的剤であるeGFR阻害剤、セツキシマブを用いて感受性試験を行った。その結果、両粘表皮癌細胞株は比較的良好な感受性を持つことが判明した。更に免疫チェックポイント阻害剤の効果に関連すると考えられる、PD-L1発現について検討を行った。その結果、ある一定刺激の元、PD-L1発現が増強することを見いだしている。これはすなわち、有効な抗がん薬が存在しない、頭頸部原発粘表皮癌に対し、新たなる免疫療法、免疫化学療法と成る可能性がある成果と考える。更に両細胞株を用いて、染色体レベルでの核型異常を探る研究も行っており、遺伝子レベルに裏付けされた、新たなる免疫化学療法を発展に繋がる研究を進めている。
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