2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the breakdown of the blood-ocular barrier due to HTLV-1 infection and development of the molecular targeted therapy for HTLV-1-associated ocular diseases
Project/Area Number |
17K11476
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鴨居 功樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40451942)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HTLV-1 / ぶどう膜炎 / ATL |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの検討で、HTLV-1感染細胞・ATL細胞と眼組織細胞の接触によって引き起こされるサイトカイン・ケモカインの特定と、眼組織細胞へのHTLV-1感染の検証で多くのことが明らかになった。最終年度は、サイトカイン・ケモカインの変動を指標とすることで新規治療法の有効性について検討を行った。 HTLV-1感染細胞に発現するケモカイン受容体CCR4を標的とした抗体療法(抗体依存性細胞障害(ADCC)活性を用いる)が、眼病変の本体である感染細胞の眼浸潤の抑制に有効であるかを検討した。この抗体療法は、ADCC活性を用いるため、Peripheral Blood Mononuclear Cells(PBMC)を添加した実験系を構築した。 1) HTLV-1ぶどう膜炎を想定したin vitroの検討として、HTLV-1 感染細胞株(MT-2)と網膜色素上皮細胞(ARPE-19)の直接接触によって上昇した炎症性サイトカイン、ケモカインは、抗CCR4抗体の投与によって炎症性サイトカインTNF、IL-6、IL-8の産生は抑制されたが有意な差は出なかった。またケモカインIP-10、MIG、RANTES、IL-8の産生は有意に抑制された。 2)ATL細胞の眼浸潤を想定とした in vitroの検討として、ATL細胞株(TLom-1)と網膜色素上皮細胞(ARPE-19)の直接接触によって、炎症性サイトカインIL-6、IL-10、IL-8、ケモカインIP-10、RANTES、IL-8で産生の上昇が見られた。抗CCR4抗体を投与すると炎症性サイトカインIL-6、IL-8およびケモカインIP-10、RANTES、IL-8の産生は抑制されたが有意な差は出なかった。 以上、in vitroの検討において、抗CCR4抗体療法はHTLV-1関連眼疾患治療に有効な可能性が示唆された。
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Research Products
(25 results)