2017 Fiscal Year Research-status Report
小児先天性胆道拡張症における胆道癌発癌機構解明に関する研究
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17K11510
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 大樹 徳島大学, 病院, 助教 (70448330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 圭吾 徳島大学, 病院, 特任助教 (00633893) [Withdrawn]
石橋 広樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 講師 (20314867)
臼井 規朗 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 小児外科, 主任部長 (30273626)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (60398021)
高橋 章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (90304047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 先天性胆道拡張症 / 小児 / 胆道癌 / 発癌 / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵・胆管合流異常は、膵液の胆道内逆流によって様々な病態を引き起こすことが知られており、特に胆道癌を高率に発症することが報告されている。膵・胆管合流異常における発癌プロセスとして、胆汁中の胆汁酸分画の変化、胆道上皮の乳頭状変化や絨毛性変化、細胞回転の亢進、p53、MUC1などの発現変化、K-Ras遺伝子変異などが研究され報告されている。しかしながら、その詳細についてはいまだ不明な点が多くあり、小児先天性胆道拡張症(膵・胆管合流異常)における検討はほとんどない。本研究では小児先天性胆道拡張症(膵・胆管合流異常)における胆道癌発癌機構を明らかにすることを目的とする。 平成29年度は、ヒト摘出検体における正常部と前癌病変部と癌部での検討として、症例を蓄積し、摘出した胆嚢内胆汁における網羅的メタボローム解析を行った。 アミノ酸解析での主成分分析では、膵・胆管合流異常と胆管癌はコントロールと比べて分離を認めた。統計学的有意差があり(p<0.05)、fold changeが2.0以上であるものは30候補物質であった。そのうち、コントロールと比較して膵・胆管合流異常と胆管癌に共通して同定できたものは20候補物質であり、さらにfold changeが20.0以上であるものは、leucine、phenylalanine、isoleucine、tyrosine、valine、methionineの6候補物質であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画では、ヒト摘出検体における正常部と前癌病変部と癌部での検討することであり、その足掛かりとして非担癌小児先天性胆道拡張症例、下部胆管癌症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体を順調に集積しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した非担癌小児先天性胆道拡張症例、下部胆管癌症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体(胆汁)を用いて、引き続き代謝産物の網羅的解析であるメタボローム解析を行い、前癌病変部と癌部と正常部において比較検討していく予定である。さらに、そのヒト摘出検体の胆道上皮における発癌関連遺伝子についての免疫組織学的染色を行い、それぞれの蛋白発現を比較検討も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】 計画書作成時に購入予定であった消耗品の価格変動のため 【使用計画】 次年度への繰越額は消耗品に使用予定である
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Research Products
(7 results)