2019 Fiscal Year Research-status Report
外傷後急性腎障害(AKI)尿細管修復の機能予後と治療に関する分子マーカーの開発
Project/Area Number |
17K11586
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
那須 亨 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60393310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 健太郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20438279)
米満 尚史 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80382331)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外傷後急性腎障害 / AKI / CITED1 / 脱分化 / 分子マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的>虚血再潅流モデルを用いて急性腎障害(以下、AKI)重症度・AKI 発症からの時期に応じて,近位尿細管細胞の増殖と再生において脱分化関連遺伝子 CITED1がどのように関与しているかを明確にし、新規分子マーカーや新規遺伝子治療となり得るか検討する。 <研究計画> 1. Wistar ラットを用いた腎虚血再潅流モデルの作製技術の習得 2. 重症度別腎虚血再潅流モデルにおけるAKI 治癒過程の細胞増殖および脱分化の評価 3. AKI 治癒過程の細胞増殖および脱分化の良好な部位のCITED1、Delta-1、Noctch-Hes遺伝子発現を評価 4. AKI に対する尿細管細胞増殖・分化能向上を目的とした CITED1遺伝子導入により、腎再生の促進効果検討 <該当年度に実施した研究の成果>本研究はラットの虚血再潅流モデルを用いて脱分化関連遺伝子CITED1の関与の可能性を明確にし、新規分子マーカーや新規遺 伝子治療となり得るか検討することである。最終的には臨床的応用を目指すものであり、高エネルギー体幹部外傷や出血性ショックに対する緊急手術の術後合併 症として急性腎障害の治療に寄与できると考えている。当該年度はラットを用いた腎傷害モデルを用いてCITED1遺伝子発現を評価したが良好な結果が得られなかった。一方で臨床的検討として36th ACEM(Australian Conference of Emergency Medicine) Annual Scientific Meeting (11月、オーストラリア)にて「Lactate and prehospital blood pressure may be useful for the early prediction of acute kidney injury after trauma.」と題した報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
<該当年度に実施した研究の成果>本研究はラットの虚血再潅流モデルを用いて脱分化関連遺伝子CITED1がどのように関与しているかを明確にし、新規分子マー カーや新規遺伝子治療となり得るか検討することである。最終的には臨床的応用を目指すものであり、高エネルギー体幹部外傷や出血性ショックに対する緊急手 術の術後合併症として急性腎障害の治療に寄与できると考えている。当該年度は当該年度はラットを用いた腎傷害モデルを用いてCITED1遺伝子発現を評価したが良好な結果が得られなかったため計画は遅延している。 一方で臨床的検討として36th ACEM(Australian Conference of Emergency Medicine) Annual Scientific Meeting (2019年11月、オーストラリア)にて「Lactate and prehospital blood pressure may be useful for the early prediction of acute kidney injury after trauma.」と題した報告を行った。また、2019年11月に第26回日本航空医療学会(11月、富山)にて『外傷後急性腎障害のリスク因子とドクヘリ搬送による予後の検討』との報告を行った。 当該年度は研究計画1の「ラットを用いた腎虚血再潅流モデルの作製技術の習得」に時間がかかっており、腎傷害モデルを用いて検討を行ったが良好な結果が得られていない。さらに、2020年2月に新型コロナウイルス感染症に対し横浜でのクルーズ船内で活動を行ったり大学病院としての臨床業務等により実験計画が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
「ラットを用いた腎虚血再潅流モデルの作製」に時間がかかっており、計画は遅延している。理由としては動物実験に時間を要していることが原因である。今後は外注も含めてこれまでの考えに囚われず柔軟な対応を検討している。 さらに、COVID-19による大学病院としての臨床業務と、初めての遠隔講義の準備等の教育業務の増加が問題であるが、可及的速やかにこれらの問題を解決し、速やかに研究計画を進める予定である。 一方、臨床的検討について学会発表を行った内容は英文論文の作成を済ませ、まもなく英文誌に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の「ラットを用いた腎虚血再潅流モデルの作製」に時間がかかっており、計画は遅延しているために次年度使用額が発生した。早急に遅れを取り戻す予定である。また、臨床的検討について学会発表を行った内容は英文論文の作成を済ませ、まもなく英文誌に投稿予定であるため、英文校正費用や投稿費として使用する予定である。
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