2019 Fiscal Year Annual Research Report
Streptococcal translocation across epithelial barrier via tricellular junction
Project/Area Number |
17K11610
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50423421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50273694)
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90444497)
山口 雅也 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00714536)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レンサ球菌 / 上皮バリア |
Outline of Annual Research Achievements |
化膿レンサ球菌は咽頭炎の起因菌として知られているが,重症例では,軟部組織壊死や多臓器不全を伴う致死率の高い劇症型レンサ球菌感染症 (STSS) を惹起する.これまでに,季節性インフルエンザの先行感染は,STSS発症の一因であることが明らかになっている.本研究では,A型インフルエンザウイルス (IAV) 感染に伴い細胞表層での発現が誘導される宿主分子に着目し,STSS発症メカニズムへの関与を検討した. ヒト肺胞上皮細胞株にIAV A/FM/1/47株 (H1N1) を感染させ,感染36時間後の細胞を免疫蛍光抗体法で観察した.その結果,IAV感染に伴って,小胞体に局在する分子シャペロンであるGlycoprotein 96 (GP96) がストレスタンパク質として細胞表層へ誘導されることを確認した.そこで,IAV感染細胞にSTSS患者由来の化膿レンサ球菌 NIH35株 (M28) を感染させ,感染2時間後における菌体付着量を検討した.IAV感染細胞への菌体付着量はウイルス非感染細胞と比較して有意に増加したが,GP96阻害剤の添加により非感染細胞への付着量と同等レベルまで減少した.また,化膿レンサ球菌とGP96細胞外ドメインとの相互作用には,菌体表層タンパク質であるPrtF2のN末端領域が重要であることをSPR解析およびELISAにより明らかにした. 以上の結果から,IAV感染により上皮アピカル部位に表出したGP96は,化膿レンサ球菌の菌体表層タンパク質 PrtF2 に対する宿主レセプターとして機能することにより菌体付着を亢進させることが示唆された.
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