2017 Fiscal Year Research-status Report
超音波振動下レーザー照射にて活性化させたナノバブルを応用した新規根管洗浄法の開発
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17K11700
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50549938)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | LAI |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、歯内療法における新たな根管洗浄法としてレーザー照射装置を応用したLAI(Laser-Activated Irrigation)という技術が考案され、洗浄能力の向上が期待されている。我々は本法に着目し、蒸気泡の挙動や根尖孔外の圧力、洗浄効果について超音波洗浄法(PUI)と比較して解析を重ねる過程で、レーザーチップに超音波振動を加えながら照射することにより、PUIとLAIの組み合わされた蒸気泡挙動が生じることを見いだした。まず、本年度はハイスピードカメラを用いてその蒸気泡の発生数、速度、面積を各種条件で以下のように評価した。作業長15 mm,40号0.06テーパーに調整したヒト抜去上顎前歯を用いる。ULAI群では,Er:YAGレーザー装置(Erwin AdvErLおよび付属チップR200T)および超音波装置(Piezon Master 400,EMS)を開発された新規レーザーチップに接続させ,根管模型の底から2,5,10 mm手前にチップ先端を設置し,模擬根管内に満たした蒸留水に30 mJ 10 ppsの出力条件にて各20秒間作用させる(ULAI2,5,10群)。CI群では,27G洗浄針およびシリンジ(ニプロブラント針,ニプロシリンジ)を用い,模擬根管の底から2,5,10 mm手前に洗浄針先端を設置し,蒸留水1 mlで各20秒間根管洗浄する(CI2,5,10群)。根尖孔外に生じた圧力は,ビニールチューブを介して圧力計測装置(AP-12S) に接続し,計測する(図3)。さらに実際にどの程度の量が溢出しているかを観察するために根管模型の底面にサンプル容器を設置し、メチレンブルーの領域計測をCI群と比較して行う。 それらの成果を各学会にて報告し高い評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1本の学術雑誌への論文投稿、6本の総説、6回の学会発表を行い研究計画通りであり、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、レッジを人為的に作成したモデルで観察を行い、器具が届かない部位に対してLAいの洗浄効果が及ぶ可能性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
手持ちの器材の活用が予想よりも多く、研究発表費用に関して国内発表が多く、次年度海外での機材購入および発表を加えることとした。
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