2019 Fiscal Year Research-status Report
超音波振動下レーザー照射にて活性化させたナノバブルを応用した新規根管洗浄法の開発
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17K11700
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50549938)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | LAI |
Outline of Annual Research Achievements |
根管治療の原則は根管内の清掃である。手用器具で届かない清掃困難な部位に対してLAI(Laser-Activated Irrigation)がどの程度の清掃効果を及ぼすのかを追究するとともに、LAIの安全性についても解析してきた。根管逸脱や弯曲等があると、UAIではチップの挿入が困難であることや超音波振動によるレッジ形成の可能性がある。これに対して、LAIによる光子誘導励起光音響流では根管上部の位置から照射しても、根管逸脱部を超えて根尖部まで清掃できる可能性がある。現在まで、LAIの根管内清掃効果や安全性について詳細に解析した研究はほとんどない。LAIの応用に最適な適用条件を見出し臨床応用することで、根管拡大による多大な歯質切削を行うことなく複雑な根管形態における感染源除去が可能となれば、根管治療の成功率の向上、さらには歯根破折の低下等が見込まれ、今後の歯科医療にとって非常に有益である。 我々は本法に着目し、蒸気泡の挙動や根尖孔外の圧力、洗浄効果について超音波洗浄法と比較して解析を重ねる過程で、レーザーチップに超音波振動を加えながら照射することにより、PUIとLAIの組み合わされた蒸気泡挙動が生じることを見いだした。まず、本年度はハイスピードカメラを用いてその蒸気泡の発生数、速度、面積を各種条件で以下のように評価した。近年、歯内療法における新たな根管洗浄法としてレーザー照射装置を応用したLAIという技術が考案され、洗浄能力の向上が期待されている。それらの成果を2つの論文として発表し、アクセプトした(インパクトファクタ-:1.9)。 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その成果を7回の学会発表と2つの論文として発表し、アクセプトした(それぞれインパクトファクタ-:1.9)現在はさらにそれらの知見を報告するために論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
査読者から勧められた再実験等を行いながら、さらにはレーザーの根管洗浄速度についてPIV法の実験と解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該課題の実験は順調に進み、現在3編の国際雑誌および1編の国内雑誌(すべて英文雑誌)1篇の国内和文雑誌を執筆し 、アクセプトを貰っている状況である。それらの結果を国内学会および国際学会にて発表予定であるため、1年度延長して補助事業期間の延長を希望する。
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