Shear bond strength of ceria-stabilized zirconia/alumina nanocomposite and denture base resin and relining materials

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K11766
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 萩原 芳幸 日本大学, 歯学部, 准教授 (00228389)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 掛谷 昌宏 日本大学, 歯学部, 講師 (70160992)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: ナノジルコニア / 可撤性補綴装置 / フレームワーク / インプラント / 床用レジン / 接着強度

Outline of Annual Research Achievements

CADソフト(KATANA;Kuraray Noritake)上で円柱状試験体を設計し，専用CAMソフト（Work NC Dental, data design）を用いて，Ce-TZP/A専用のミリングマシンで，歯科切削加工用セラミックス（C-Pro Nanozirconia）を切削加工した．その後，半焼結の試験体を専用のシンタリングファーネスで15時間焼結してナノジルコニア試験体（Ce-TZP/A試験体）を作製した．本作業はナノジルコニアディスクの切り出し～焼結まで専用の機器が必要で作業に時間がかかる．また，特殊な研削状態であるために，基準を満たすCe-TZP/A試験体製作までに大幅な時間を費やしてしまった．
また，Ce-TZP/A試験体に床用レジンを接着させる作業も，Ce-TZP/A試験体に流し込みレジン専用フラスコに埋没した後に，床用レジン（パラプレスバリオ：ヘラウス社製）をメーカ指示の分液比で混和し，エアシリンダー注入式加圧成型機を用いてフラスコ内に流し込みレジンを填入して，接着試験体を完成させなければならない．同作業も通常の歯冠修復材料や床用材料に比較して条件設定やジルコニア表面処理などに繊細な作業が求められた．これらを試行錯誤しながら剪断試験用試験体を作製することに多くの時間を費やした．しかし，測定に値する試験体作製が終了し，実際の計測作業に入れる状況となっている．本年度は実際の試験遂行に先立ち，製作した剪断接着試験検体を万能試験機に装着して剪断強度試験（荷重速度1.0㎜/min）を行うところまでで終了している．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究に使用するナノジルコニアCAD/CAM研削用ディスクの供給元の会社が変更になり，ナノジルコニアの試験体を削り出す前のディスクの入手が一時困難となった．しかし，現在はナノジルコニア歯科切削加工用ディスクから試験体形状へのCAD/CAM加工および焼成作業は完全に終了した．現在は測定シークエンスのキャリブレーションも兼ねて，剪断接着試験を開始したところである．
ナノジルコニアの試験体作製には専用の加工機が必要で，切り出しにかなりの時間を要した．また，その後の重合作業も数検体作製するのに約15時間を要し，必要な賢対数をそろえるのに遅延を生じた．加えて，流し込みレジンの接着も専用の流し込みレジン充填・重合機を用い，加圧下で作業する必要がある．これらの作業の煩雑さに加え，満足し得る試験体作製までは様々な試行錯誤が必要であった．現在はこの段階をクリアし，満足し得る試験体作製が可能となったために，今後は順調に作業が進む見込みであるが，現時点で数か月の作業の遅れを認める．

Strategy for Future Research Activity

試験体の作成に関しては一定のめどが立ち，今後は定期的に製作が可能となる．研究計画に則り，表面処置およびプライマーやボンディング材を変えて評価を行う．本研究では試験体作製が最も重要かつ時間を有する．ナノジルコニアは加工が困難で専用の加工機が必要である．加えて，流し込みレジンの接着も専用の流し込みレジン充填・重合機を使用して加圧下で行わなくてはならない．これらの作業は学内で行うことができないため，今後はある程度余裕を持って研究遂行に臨みたい．

Causes of Carryover

本年度に購入したナノジルコニアCAD/CAM形成用ディスクの枚数が当初の予定より少なく，そのために差額が生じた．また，研究に使用するプライマー・ボンディング材等は経時的変化を起こすため，使用する都度に必要な新品を購入することが望ましく，購入数を若干控えた．本年度の予算執行に当り，上記の事由により差額が生じた．本年度の繰越金額と平成30年度助成金を合わせて，次年度には追加資料の作製に伴いナノジルコニアCAD/CAM形成用ディスクをさらに購入する予定である．同時に接着作業に使用するプライマー・ボンディング材等も適宜購入を進める．また，試験結果をまとめて，国内外を問わずに適切な時期に学会発表を行う予定である．これらの試験結果は早期に論文として紙上発表を行うべく，準備も並行して行う予定である．