2019 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of aspiration pneumonia risk using a simple-version assesment sheet for oral care.
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17K11791
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
中野 雅徳 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (30136262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 弘美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (00709511)
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10350927)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 研究協力施設 / アセスメントシート記録 / データ入力 / 食形態と口腔状態の関係 / 聖隷式嚥下質問紙 / スコア化による評価 / 嚥下障害 / 口腔機能訓練法 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国8研究協力施設から6か月毎に初回を含め計4回送付されてきた435名分のアセスメントシートの記録のエクセルへのデータ入力を終え、令和2年度に統計解析を行い成果をまとめる準備が整った。本研究に関連して、令和元年8月に徳島大学で行われた第3回徳島県地域包括ケア学会に「特別養護老人ホームにおける食形態と口腔状態に関する調査」に演題発表を行い、優秀発表賞を受賞した。この研究の結論は、「特別養護老人ホームの食形態と口腔状態に関する実態の一部が明らかになった。①義歯がないか使用していない利用者の割合が多く、②摂食嚥下障害のスクリーニング結果と食形態のミスマッチの可能性が疑われる利用者も全体の10%程度おり、今後の歯科医療者のさらなる介入や関連する研究の進展が期待される。」である。 また、本研究のデータ解析に関連する研究として、日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌に「スコア化による聖隷式嚥下質問紙評価法の検討」のタイトルで原著論文として投稿し、現在査読を待っている状態である。研究の結論は「聖隷式嚥下質問紙の選択肢をスコア化し合計点で評価する方法を開発し,従来の評価方法と同等の感度,特異度を有していることを確認した。本法は,健常者への適用で高い特異度を有し,嚥下障害に至る前の口腔機能低下症などの評価法としての有用性が期待できる。」である。さらに、要介護高齢者に対する口腔機能等の賦活・維持を目的とした新たな訓練法の開発を行っており、研究協力施設に対して、研究成果の報告のみならず、これらの情報を提供することにしている。また研究分担者が筆頭発表(著)者となる関連研究実績は、中江弘美講師、日野出大輔教授、柳沢志津子講師がそれぞれ1回学会発表を、吉岡昌美教授が単行本共著1冊、雑誌掲載1論文の著作をそれぞれ行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画から研究協力施設数及びアセスメント記録のデータ数が少なくなったことは前年の進捗状況で理由を述べたとおりであるが、研究協力施設からは大変多忙な介護現場にもかかわらず2年間の長きにわたって6か月毎のアセスメント記録の採取とデータ送付を行っていただいた。435名のデータのエクセルへの入力が終了し、解析を行う準備をしているところである。上記のように、関連する研究成果も出ており、また研究協力施設への協力に対するお礼の意味からも、施設で役立つ口腔機能維持・向上のための体操を開発中であり、この体操を広く多くの高齢者に使用してもらうことにより、誤嚥性肺炎や認知症の予防に繋げられることを期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
誤嚥性肺炎の症例数は当初の想定より少なく、口腔ケア簡易版アセスメントシートの評価結果から誤嚥性肺炎の発症リスクを明確に推定するには至らないかもしれないが、発熱回数など、肺炎と関連すると思われるイベントについては発症頻度も相当数あり、そのリスク推定は可能であると考えている。集積したデータは、非常に貴重なデータであり、多角的な解析により要介護高齢者の食形態決定に関連するテーマなど各種の課題の解決に役立つと思われる。研究協力施設の了解を得ながら、本研究の中心テーマ以外の目的にデータを活用することを検討している。
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Causes of Carryover |
研究分担者の柳沢志津子徳島大学・大学院医歯薬学研究部講師については、2019年度の役割分担として、施設でのアセスメント実施・、依頼・データ回収を予定し、70,000円の研究分担金を徳島大学に入金した。柳沢講師が参加を予定した学会が台風のため延期となり、その後の開催日程が他のスケジュールと重なり参加できなくなったため、予定していた支出が実行できなかった。これ以外に本年度行っていただいた研究協力については支出を伴わなかったので、次年度の分担業務である事後研修の実施および研究成果発表に充当してもらうこととした。
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Research Products
(6 results)