2021 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of aspiration pneumonia risk using a simple-version assesment sheet for oral care.
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17K11791
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
中野 雅徳 徳島文理大学, 保健福祉学部, 客員教授 (30136262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 弘美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (00709511)
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10350927)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 誤嚥性肺炎 / 口腔ケアアセスメントシート / 要介護者版聖隷式嚥下質問紙 / Swallow-10 / アセスメントシート入力システム / 口健体操 |
Outline of Annual Research Achievements |
・研究期間を延長した令和3年度は、前年度までに入力が終わっている全国の8協力施設から送付されたアセスメント記録について、データの精査を行い種々の解析のための準備を行った。 ・本研究課題に関連する研究として、アセスメントシートの評価項目の半分を占める要介護者版聖隷式嚥下質問紙(Swallow-10)のスコア化による評価法を確立し、日本摂食嚥下リハビリテーション学会(名古屋)において「要介護者版聖隷式嚥下質問紙(Swallow-10)の開発」のタイトルで、口頭発表(オンライン)を行った。質問項目に対する3つの回答選択肢の内、重い症状A:4点、軽い症状B:1点、症状なしC:0点としてスコア化し、合計点のカットオフ値を5点とする評価法は高い感度と特異度が確認された。因子分析結果と内的整合性の評価結果を加え、成果をまとめ英文誌Dysphagiaに投稿し、査読結果を待っているところである。さらに、「Googleフォームを用いた簡易版口腔ケアアセスメントシート入力システムの試作」のタイトルで同じく口頭発表を行った。基本項目、および20の質問項目について、ラジオボタンで選択入力ができ(一部記述式)、各施設から送信された収集データをエクセルにエクスポートし、エクセル上でスコアの集計および論理式を用いた嚥下障害のスクリーニングなどの評価を行うことができるシステムである。スマートフォン、タブレットPCを用いた試作システムのテストを行ったところ、操作性が良好で、改良を加えた完成バージョンが期待される。 ・研究協力施設職員に対する事後研修に使用する目的で、デイサービスを含む施設利用者の嚥下機能を改善・維持するための指導媒体として制作した「口から健康“口健体操”」のポスターを各施設に送付した。体操の効果を上げるために、実写ビデオを制作することにしており、シナリオの作成などの準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・聖隷式嚥下質問紙のオリジナルの評価法は回答選択肢の内、重い症状Aが一つでもあれば嚥下障害を有している可能性が高いという評価法であった。より定量的な評価を行うには、回答選択肢をスコア化する必要があると考え、スコア化による評価法の確立に研究時間を要したので解析に取り掛かるのが遅れた。発症リスクの推定という本研究目的を達成するには、スコア化による評価法の方がより確実な解析結果が得られるはずであり、進捗状況に遅れがあるものの、研究成果の有用性はより大きいものとなると期待している。 ・当初の研究計画に従い、本研究では研究協力施設でのアセスメント記録は紙ベースの記入式で行い、郵送された記録紙のデータはから手作業でエクセルに入力するという研究方法で実施した。今後本研究成果を多くの施設で活用してもらうために、多忙な現場にできる限り負担のかからない方法を検討し、解析結果をできるだけ早く現場にフィードバックする必要がある。Google formを用いて簡便に評価入力できるシステムを構築することにより、現場でのアセスメントをスマホやタブレットで入力することができ、現場での効率化が図れるのみならずデータ入力の手間が省け、データ解析やアセスメント結果のフィードバックも短時間で施設に返すことができるなど利点は大きい。令和3年度はこのような作業に時間を要したことも、解析の遅れの1因であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間のさらに1年延長が認められたので、この期間を有効に活用し、本研究の主目的である誤嚥性肺炎の発症リスクの推定法の確立に留まらず、発熱や死亡のリスクについても検討を行う。さらに、Swallow-10のスコア化により嚥下障害の可能性の有無のスクリーニングに加え、嚥下障害に至る前の嚥下機能が低下した状態から重度の嚥下障害までのレベルが評価できると思われるので、施設で各利用者に提供している食形態とのマッチングの評価や、基本情報にある残存歯や義歯の使用状態と併せて解析を行い、利用者の状態に合った食形態の提案法などを検討する予定である。 投稿中のDysphagia 論文についても査読結果に対応し、早期のアクセプトならびに掲載に向け取り組む。さらに1年の延長が認められたが、後がない最終年度であるので、確実に研究を進め、研究成果の論文投稿まで漕ぎつけたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、学会がオンライン開催となり当初予定していた出張旅費が算定されなかった。次年度繰越額106,262円は査読に対応した英文校正ならびに投稿料に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)