2018 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼・嚥下機能の新評価法の確立による口唇閉鎖不全と異常口腔機能の関連性の解明
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17K11964
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武元 嘉彦 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70452943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 智憲 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口唇閉鎖不全 / 小児 / 咀嚼 / 嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、お口をポカーンと開けたままの子どもが増えていることが社会問題視されている1)。この口唇閉鎖不全は呼吸障害、習慣性開口などが原因となっており、口腔周囲筋活動の不調和を生むことよって、小児の歯列咬合の発育のみならず、口腔機能の中の「咀嚼して嚥下する」という食べるために重要な一連の動作にも影響を及ぼしてしまう(図1)。平成21年に厚生労働省が「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書」を発表してから、小児期では口腔の機能発達状況に応じた支援が推奨され 2)、子どもが上手に食べるために必要な「捕食・咀嚼・嚥下」の一連の口腔機能の正常な機能発達を促すことが求められている。 これらのことから、幼少期からのう蝕予防の重要性が社会的に認知された結果、8020達成者が増加している現状と同様に、小児期から口唇閉鎖不全に着目し、誘発される異常な咀嚼・嚥下機能との関連を探り、口腔機能の正常発育を促すことは、超高齢化社会において歯科界の課題である老年期の口腔機能の維持に繋がり、ライフステージ全般のQOL向上に貢献するものと推察される。 そこで30年度は顎口腔機能と歯列咬合に異常のない健常成人20名を対象として計測方法を確立を目指した。次に、鹿児島大学附属病院 小児歯科外来受診者の健常小児と口唇閉鎖不全を認める3~5歳の小児 20 名ずつを対象者として選定し、保護者の同意を得て計測を行った。歯科用口唇筋力測定器(松風社製りっぷるくん( 新規購入)を用いて3回ずつ計測し(図5)、その平均値を各対象者の口唇閉鎖力の指標とする。口唇閉鎖不全児には、ボタンを用いた口唇閉鎖訓練を指導し、3・6か月後それぞれに再計測を行い検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検査に協力してもらえる機会が少ないため、データの収集が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
検査に協力してもらえるように口唇閉鎖不全の問題について日常から積極的に声をかけるようにすることで、データ収集が進むように心がけたい。
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Causes of Carryover |
データ収集の遅延とそれに伴う、解析にかかる費用、学会発表の機会の減少のため、次年度使用額が生じた。最終年度でもあり、積極的に研究を進めたい。
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Research Products
(4 results)