2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期意識障害患者の脳が賦活化する「さする」刺激の効果
Project/Area Number |
17K12228
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 晶子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (90424275)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | さする / ふれる / 毛細血管 / 血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、健常者の研究結果を踏まえて、意識障害患者を対象に呼吸数・脳波に加え唾液を用いてオキシトシンとコルチゾールでストレスの定量的測定を行い、快刺激が高まるタッチング刺激の実施時間・速度・部位を特定することを目的としていた。そこで、昭和大学藤が丘病院EIユニット及び脳神経内科病棟で研究を実施する為に、倫理審査申請書を作成していた。しかし新型コロナウイルス感染症が収束せず、意識障害患者を対象として臨床研究が実施できる状況ではなかった。従って意識障害患者の脳波・呼吸数及び唾液を用いてオキシトシンとコルチゾールでストレスの定量的測定を行い、快刺激が高まる刺激の実施時間・速度・部位を特定するという目的を達成することはできなかった。そこで今年度は、意識障害患者を対象とした臨床研究を実施するにあたり、非接触で、簡便にタッチング効果を検証できる測定装置について検討を行った。田中は「さする」刺激を1分間実施した時に皮膚血流が増加した(田中,2017)という研究結果を明らかにしている。この結果を基に非接触で簡便な毛細血管スコープ装置を購入した。この装置は、指先の毛細血管及び血流を測定できる装置である。この装置を用いて、「触れる」「さする」刺激時におけるタッチングが末梢血管及び血流にどのような変化を及ぼすのかについて明らかにし、今後、意識障害患者を対象とした臨床研究に繋げていくという研究実施計画に変更した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、意識障害患者を対象に呼吸数・脳波に加え唾液を用いてオキシトシンとコルチゾールでストレスの定量的測定を行い、快刺激が高まるタッチング刺激の実施時間・速度・部位を特定することを目的としていた。しかし新型コロナウイルス感染症が収束せず、臨床研究が実施できる状況ではなかったため、進歩状況に遅れが出た。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、新たに購入した非接触で簡便な毛細血管スコープ装置を用いて、タッチング時の効果を末梢血流状況で把握する方法に実験プロトコルを変更し、健常者にタッチングを実施し、その効果を明らかにしていく。その後健常者で得られた結果を基に、実験プロトコルを組み直し、意識障害患者へ実施し、その効果を明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
今年度は新型コロナ感染症のため、臨床研究が実施できず、経費として計上していたオキシトシン・コルチゾールの試薬等も購入せず、また学会発表及び論文投稿が行えなかったため計画通り使用できなかった。今後もこのような状況が継続することを鑑みて、非接触で、簡便な実験装置について検討し、購入した為使用額に変更が生じた。今後は購入した装置を用いて実験を進め、結果を分析する統計ソフト等の購入等を計画している。
|