2017 Fiscal Year Research-status Report

がん看護専門看護師を対象とした遺伝リテラシー向上のための教育プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number	17K12268
Research Institution	Toho University
Principal Investigator	村上好恵東邦大学, 看護学部, 教授 (70384659)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	今井芳枝徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (10423419) 川崎優子兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (30364045) 武田祐子慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 教授 (80164903) 浅海くるみ東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (90735367)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords	遺伝リテラシー / 遺伝性腫瘍 / がん看護専門看護師 / 教育プログラム
Outline of Annual Research Achievements	遺伝性腫瘍は全がんの10%を占めると言われ、多臓器にわたり同時性・異時性にがんを発症するため早期に発見されなければ生命予後にも影響を与えると報告されているにもかかわらず、がん診療に携わる専門職ですら、その認識が薄いのが現状である。その背景として、国内の看護学基礎教育において遺伝学や遺伝リテラシーに関する教育プログラムが不十分なことがあげられる。そこで、本研究では、「がん看護専門看護師を対象として、遺伝性腫瘍に関する知識と共に遺伝リテラシー向上のための教育プログラムの開発を行うこと」を目的としている。初年度には、①文化の違いによる遺伝リテラシー教育の差異に関する検討、②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査、を計画した。 ①文化の違いによる遺伝リテラシー教育の差異に関する検討については、明らかにしようとする概念「リテラシー」が抽象度の高いものであるため、電子データベースを用いて国内外の研究論文を検索することに加えて、国内外の教育機関のホームページから遺伝リテラシー教育に関する内容を丁寧に検索し抽出することを行うこととした。担当分野を話し合い、現在各自が検討を行っている最中である。 ②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査については、遺伝カウンセリングに限らず、がん看護専門看護師が臨床実践において診療に関与していることを客観的に評価できる質問項目について文献検討を行い、「関与」に関する質問項目を抽出した。さらに、遺伝性腫瘍の基本的知識に関する理解度については関連学会が開催しているがん遺伝カウンセリングセミナーのプログラム内容を基盤として基本的項目を抽出し、質問紙原案を作成した。作成した案をメンバー間で内容確認を行った。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 今年度は、①文化の違いによる遺伝リテラシー教育の差異に関する検討、②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査を完了する予定であったが、遺伝リテラシーに関する文献検討を始めたところ、様々な方向性に広がりをみせ、現在丁寧に検討を継続している段階である。また、がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の実態調査については、質問紙作成を終了し、調査を開始するところである。
Strategy for Future Research Activity	今後の研究推進方策として、②がん診療連携拠点病院に所属するがん看護専門看護師の遺伝カウンセリングへの関与の実態調査を開始する。返送された質問紙のデータ入力および分析を行っていく予定である。①文化の違いによる遺伝リテラシー教育の差異に関する検討については、引き続き、遺伝リテラシーに関する文献検討を行い、8月中に検索結果についてメンバー全員でディスカッションを行う予定である。これらの結果をもとに、教育プログラム案の作成を行っていく。
Causes of Carryover	１．次年度使用額が生じた理由１）がん看護専門看護師を対象とした実態調査（約800名を対象とした質問紙郵送調査）の実施が2018年度にずれこんだため。２）上記の質問紙郵送調査が2017年度中に実施されなかったことと、2018年度初等に新しい機種が発売されることが判明したため、実態調査後のデータ入力時期にあわせて購入することに変更したため。２．使用計画がん看護専門看護師を対象とした実態調査に係る費用と、遺伝カウンセリングへの関与の実態調査に関するデータ入力用のノートPCの購入に係る費用を使用予定である。