2018 Fiscal Year Research-status Report
妊娠早期からの主体的・継続的な出産準備教育による父親役割形成への効果
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17K12327
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
宮本 雅子 摂南大学, 看護学部, 講師 (00413245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小神野 雅子 宝塚大学, 助産学専攻科, 准教授 (00269458)
松田 佳子 宝塚大学, 助産学専攻科, 講師 (40727476)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 妊婦 / 夫 / パートナー / 父親らしさ / 親役割 / 夫婦へのサポート / 自己効力感 / 出産育児への認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期の夫婦に対象に「妊娠期の夫婦の役割意識と出産や育児への参加ニーズ」について,2017年度に実施した調査の分析,および結果から,2019年度に実施する介入研究の内容と方法について検討した。調査における分析は,206組の夫婦を対象にした。また妻のみの分析対象者は344人であった。結果から,夫の90%以上が妊娠・出産・育児に関する知識提供を希望しており,その80%以上が夫専用のテキストや保健指導を希望していた。妊娠,出産や育児への関心が高い夫は「父親らしさ」が有意に高く,それらの知識が高いと感じている夫の自己効力感は有意に高い結果となった。妻も同様の結果が得られた。出産の立ち会いを予定する妊婦の自己効力感は高かった。妊婦が夫に求めるサポートには「家事」「育児」が最も高く,「話を聞いてほしい」など精神的なサポートを求める記述がみれらた。しかし,夫婦で個別指導を受けた体験は8.5%にすぎず,今後の介入において,夫用のテキストの作成や保健指導の実施が課題となった。本調査の結果から,本課題の目的のうち,親意識が高められる要因やニードが明らかになった。さらに,次の教育的介入の方向性について示唆を得た。 国内外でのこのような介入研究に関する文献検討を実施するために,2017年度より文献収集を実施している。2018年度はCochraneのReview Manager5.2を使用し,海外の6つのデータベースを使用し,延べ3,639件まで絞り込んだ。今後は,国内データベースでの検索,およびハンドサーチを含めてシステマティックレビューとして,2019年度に引き続き文献収集と検討,分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初では,2018年度には介入研究を実施する予定であったが,研究全体の進行状況は約1年遅れている。理由として,約1年半の研究代表者の健康問題があった。研究分担者に対して調査などの増担を余儀なくされた。2018年度末ごろから研究代表者も担当部分の分析を開始することができた。研究フィールドや対象者は順調に確保できたため,今後は再度立案した研究スケジュールに沿って実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
調査研究結果の発表は,2020年度ICM(国際助産師連盟)3年毎大会に5月に投稿している。その後,年度内の論文投稿を予定している。 介入研究は,8月までに冊子作成,質問紙,研究計画書を作成し,9月の倫理委員会承認後に,協力施設に正式に依頼し,妊娠期の夫婦を対象に,作成した冊子をもとに健康教育(保健指導)を実施する。対象者が産後1か月になるまで縦断的に調査を行う。また,対照群を無作為に選定し調査を行う。調査期間は,2020年12月末までを予定する。 文献検討は,12月までにレビューを終了する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は,年度にわたり研究代表者の健康問題があり,調査研究の分析や介入研究の準備,実施ができなかった。さらに,文献検討に必要な文献取り寄せやハンドサーチに対する研究資金を使用することができなかったため,遅れている研究課題については,2019年度に持ち越して実施していく予定である。
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