2019 Fiscal Year Research-status Report
母子のケアの連続性をめざした周産期母子医療センターと助産所の連携
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17K12355
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
谷口 千絵 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (10349780)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自宅出産 / 助産師 / 医療者の態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、母子のケアの連続性および包括性をめざして、出産の場としてローリスクの女性が出産する助産所からハイリスクの女性が出産する周産期母子医療センターにおける看護職の認識について探究するものである。 具体的には、自宅出産に対する医療者の態度を測定する尺度の日本語版を作成して客観的な指標を提示することである。国際比較を可能にするため、米国・カナダのBirth Place Studyに用いられたAttitudes Toward Planned Home Birth:PAPHB-iを原版として日本語版「ケア提供者の計画的自宅出産に対する態度尺度」を作成する。原版作成者のVedam博士およびStoll博士から翻訳の許可があり、WHOの国際比較尺度作成のガイドラインに基づいて、日本語版の暫定版を作成した。暫定版は専門職の有識者パネル6名に、原版との意味の等しさについて調査を行い修正等を経て改訂した日本語版が完成した。日本語版は逆翻訳され、英語版となりさらに原版との意味に差異を原版作成者に確認した。「計画的家庭出産」あるいは「計画的自宅出産」と既に日本語に翻訳されている用語の統一や、助産師の役割を含む保健医療システムの違いからくる問いが日本版作成の課題となった。専門家のパネリストと原作者とのやりとりから修正した日本語版は、さらに20歳代から60歳代の助産師に、尺度のそれぞれの項目に回答したうえで、インタビューを行った。インタビューでは、設問のわかりにくさや答えづらさを尋ねた。さらに、翻訳版であるため、日本の社会や周産期医療の現場に適用できるのか尋ねた。10名のインタビュー調査のうち3名が終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始当初に予定していなかった尺度の日本語版作成を実施することになった。原作者からの翻訳の許可などの手続きがあったこと。インタビュー調査は、研究対象者との日程調整にある程度の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、残りのインタビュー調査を行う予定である。新型コロナウィルス感染予防のため、直接インタビューを行うことができないことが予想されるため、状況によってはWEBインタビューで実施することを検討する。
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Causes of Carryover |
今年度の中頃から開始したインタビュー調査を新型コロナウィルス感染症拡大予防のため2月から他県で実施することを自粛した。3月に入り緊急非常事態のにより、調査が完全に中断し、旅費が執行できなかった。 次年度は、インタビュー方法とWEBインタビューに変更する予定である。WEBインタビューに必要な物品等を購入する。
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