2018 Fiscal Year Research-status Report
医療介護混成チームで包括的に挑む施設入所重度要介護高齢者における便秘解消への試み
Project/Area Number |
17K12441
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土田 敏恵 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10461170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 富美子 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (20461171)
山田 絵里 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (50783908)
宮前 奈央 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (50811668)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 便秘 / 下剤 / 排便パターン / 腸管運動 / 身体活動 / 栄養 / 高齢寝たきり |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の分析結果から、対象者個々についての分析が必要であることが示唆されたため、栄養・活動・薬剤・腸管運動について管理栄養士・理学療法士・薬剤師である研究者と消化器内科医師と生理学研究者とともにデータを分析した。さらに研究実施施設の介護職者・看護師と研究対象者の日常生活の状況や身体的特性を加えて検討し、介入方法の方向性を定めた。 栄養に関しては、飲水量不足7名で食物繊維量は全員が不足(充足率53-69%)していた。嚥下機能の低下から食餌形態を変更することは困難であり、水溶性食物繊維飲料の活用を検討する。 活動に関しては、一般的に強い活動とされている値域を示した時間と排便のあった日数に正の相関を認めた(r=0.784)。円背のある人がリクライニング車いすで座位を取ると、頚部が伸展することにより貪気が促進される。その結果、胃から大量の空気が腸管に送られ腸管運動の減弱が加わり、エックス線写真で腸管に大量のガスの貯留像を認めた可能性があった。全員が車いす座位を取れることから、股関節可動域を確認したうえで便座で座位(排便姿勢)が取れるような座位保持に向けてのリハビリテーションと、リクライニング車いす座位時に頚部が伸展しないようなポジショニングを導入する。 腸管運動に関しては、腸管平滑筋の収縮と電位差は大腸刺激性下剤服用前後で変化はなく、先行研究よりも著明に低下していた(収縮回数:5分あたり0-7回、先行研究10-30回、電位差:0-0.16mV、先行研究1.51mV)。さらにエックス線写真で腸管内のガスや便の移動が小さいことから、大腸刺激性下剤の効果は小さいことが示唆された。また酸化マグネシウムの服用方法として、薬効を期待できない方法で服用させていた。腸管運動促進への介入として、大腸刺激性下剤を中止し漢方薬と経穴の指圧を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象者の個体差が大きく、個々の状況について分析が必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
便秘介入策として、内服下剤の調整(中止)・漢方薬の導入可能性を探る・経穴の指圧・座位(排便姿勢)保持訓練・水溶性食物繊維飲料の導入可能性を探ることを行う予定である。 介入の実施においては、研究対象者の安全を確保するために研究者による安全確認と確実な実施が必要である。研究補助者によるサポートを考慮している。
|
Causes of Carryover |
介入研究に向けて介入策を考案するために、今年度は研究対象者の個別分析を行ったため、使用額が少額となった。 次年度は、介入研究の実施に伴い物品費・旅費・人件費等を執行する予定である。
|
Research Products
(2 results)