2019 Fiscal Year Research-status Report
精神科訪問看護における専門職者の暴力曝露リスク要因と暴力対策ガイドラインの開発
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17K12453
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤本 浩一 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20467666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 美里 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70595488)
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神科訪問看護 / 暴力 / リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、全国訪問看護事業協会の事業所リストに掲載されている訪問看護事業所5,865箇所から、層化抽出した1200箇所の事業所にアンケート調査を依頼した。 そのうち108箇所から調査実施の承諾を得て、精神科の利用者へ訪問看護を実施している専門職者567名を対象として、郵送によるアンケート調査を実施した。 報告書作成時点で、計230名から調査票の返信を得て、大半が空白であった1部を無効回として計229部を解析したところ、過去12か月間に何らかの暴力に遭遇した専門職者の割合は15.3%(35名)であり、Fujimotoら(2019)が報告した38.1%よりも低い割合であった。暴力を防ぐための何らかの個人的予防策を実施している割合は97.0%、組織的予防策を実施している割合は88.3%であり、Fujimotoら(2019)の報告(個人的:83.7%、組織的:74.5%)よりも高い割合であった。 Fisherの直接確率検定を用いて解析したところ、過去12か月間に暴力に遭遇した経験と有意な関連を示した利用者の精神科診断名は「F1群:精神作用物質による精神及び行動の障害」「F4群:神経性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」「F6群:成人の人格及び行動の障害」であった。その他に「暴力行為の既往歴があること」「利用者にストレス-対処能力の不均衡があること」「利用者が規則的な服薬をできていないこと」「利用者の安全が脅かされていること」「利用者と周囲の人々の関係性が良好ではないこと」が暴力に遭遇した経験と有意な関連を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度途中に研究代表者の異動があり、研究に充分なエフォートを投入できなかった。調査票の配布・回収を進めているが、報告書作成時点で十分な数の調査票が回収できたとは言い難い。協力事業所に回答を促す連絡を入れるなどの対応を行い、調査票の回収を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票の回収を進めたうえで、改めて単純集計ならびに1次解析を実施する。その後、過去12か月間に利用者からの暴力に遭遇した経験を従属変数、1次解析で有意な関連を示したリスク要因を独立変数として、単変量回帰、重回帰、ロジスティック回帰分析等を用いて有力なリスク要因あるいは組み合わせを検討し、報告する。
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Causes of Carryover |
2019年度は、研究代表者の異動により、研究に充分なエフォートが投入できず、予算を計画的に執行することができなかった。2020年度は計画的な執行に努める。
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