2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科訪問看護における専門職者の暴力曝露リスク要因と暴力対策ガイドラインの開発
Project/Area Number |
17K12453
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤本 浩一 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20467666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 美里 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70595488)
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
向畑 毅 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (90784447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 精神科訪問看護 / 暴力 / リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度中に調査票の回収ができなかった事業所に連絡をとり、回収を進めた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下では回収への協力を得ることが難しく、最終的に計240部(無効回答1部を除く)を得るにとどまった。 240部の解析から、調査時点から過去12か月の間に39名(16.3%)の専門職者が何らかの暴力に遭遇していた。暴力遭遇に関連する要因について、単変量のロジスティック回帰分析より、精神科診断など変化しにくい静的要因では「F1群:精神作用物質による精神及び行動の障害」「F4群:神経性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」「F6群:成人の人格及び行動の障害」「F7群:知的障害〈精神遅滞〉」「F2ーF9と薬物/アルコール乱用の合併」「暴力歴の既往」を有する利用者へ訪問していることが有意に関連した。一方、精神症状など変化しうる動的要因では「敵意/怒り」「不十分なセルフケア」「不十分な対人スキル」「不十分な服薬」「活発な精神病症状」「活発な非精神病症状」「安全が脅かされている感覚」「家族との不和」「訪問中の物理的距離の近さ」を有する利用者へ訪問していることが有意に関連した。独立変数投入の第1ステップに静的要因、第2ステップに動的要因を投入する2変量のロジスティック回帰分析では、「F1群」「F4群」「F7群」「F2ーF9と薬物/アルコール乱用の合併」に有意な関連を認めず、動的要因のみに有意な関連を認めた。一方、「F6群」「暴力歴の既往」は有意に関連し、いくつかの動的要因との組み合わせにも有意な関連を認めた。 また、改訂出来事インパクト尺度日本語版を回答した39名のうち、心的外傷のハイリスクの可能性がある者は5名(12.8%)であり、研究者らの以前の報告(5.9%; Fujimoto et al, 2017)よりも高い割合となっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、調査票の回収が進まず、データ解析等の作業も影響を受けて遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
解析作業は一旦完了したことから、2021年度は国際誌への投稿等、研究成果の公表に向けた作業を進める。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて計画通りに研究が進まず、執行を予定していた英文校正費等を執行するまでに至らなかった。2021年度は研究成果の公表に向けて執行予定である。
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Research Products
(1 results)