2017 Fiscal Year Research-status Report
日本語版ISMI-10尺度の信頼性・妥当性:地域で支えるためのアセスメントツール
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17K12482
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田邊 要補 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50515319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ISMI尺度 / 自己スティグマ / 短縮版 / 信頼性 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年にJennifer E. Boydらが、「精神障がい者の内面化したスティグマ尺度(Internalized stigma of mental illness Scale:ISMI-29尺度)」の短縮版であるBrief Version of the Internalized Stigma of Mental Illness (ISMI) Scale:ISMI-10尺度を発表した。本研究の目的は、ISMI-10尺度を基に調査票を作成し、200名位の精神に障がいのある人を対象に調査を行い、その尺度の信頼性・妥当性を検討することである。今年度実施した研究実績の概要は次の通りである。 1.調査票を作成した。 調査票は、対象者の属性(年齢、性別、学歴、病名、発病年齢など)、日本語版「精神障がい者の内面化したスティグマ尺度」、比較 対象尺度(ベックの抑うつ評価尺度、ローゼンバーグの自尊心尺度、エンパワーメント尺度)から構成される。2.研究計画書を作成し、高崎健康福祉大学の倫理委員会で倫理審査を受け、承認された。3.群馬県内、新潟県内及び埼玉県内の社会福祉施設を中心に研究対象施設を選定し、施設長等に連絡し、直接伺い、研究説明書を用いて研究の説明をし、同意書を用いて許可が得られた施設で調査を実施した(新潟県内12か所、群馬県内9か所、埼玉県内9か所)。4.群馬県、新潟県および埼玉県の社会福祉施設を利用している精神障がい者に対し、研究の目的や方法などが書かれた説明書を配付して説明し、同意書で同意の得られた274名に対して調査を行った(群馬県89名、新潟県114名、埼玉県71名)。5.再テストは調査から5週間後に、研究の目的や方法などが書かれた説明書を配付して説明し、同意書で同意の得られた148名に対して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査票及び研究計画書の作成を4月中に終え、5月に高崎健康福祉大学の倫理委員会に研究に係る許可申請を出すことができたことが第一にあげられる。その結果、多少の修正を加え、6月5日に許可が出た(高崎健康大倫第2910号)。 その後、調査施設を選定した。選定にあたって、新潟県内は研究協力者の藤田氏、群馬県内は研究協力者の高山氏の協力を得た。夏休みを中心に新潟県内で調査を実施し、9月以降群馬県、1月以降埼玉県で調査を実施した。社会福祉施設を利用している精神に障がいのある人に対し調査を実施したわけであるが、どこの施設のスタッフも協力的であったこと、そして、何よりも社会福祉施設を利用している精神障がいのある方々が協力的であったことが順調に進んでいる大きな要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査書の作成及び調査の実施を平成29年度中に終えることができた。今後は調査票に書かれたデータのスクリーニング及び入力をする。その後、統計解析ソフト「SPSS」を使い集計・解析し、日本語版ISMI-10尺度の信頼性・妥当性を検討する。さらに、日本語版ISMI-10尺度と日本語版ISMI-29尺度の結果を比較・検討し、日本語版ISMI-10尺度の精度を明らかにする。
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