2017 Fiscal Year Research-status Report
在日コリアン高齢者と韓国人高齢者の抑うつ関連要因の検討
Project/Area Number |
17K12523
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 尚子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80456681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 康仁 立教大学, 社会学部, 教授 (30257159)
金 永子 四国学院大学, 社会福祉学部, 教授(移行) (50161550)
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 在日コリアン高齢者 / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在日コリアン高齢者と韓国人高齢者の抑うつにかんする要因を明らかにすることである。研究初年度にあたる本年度は、研究の全体像を把握するため文献等資料収集を行った。その結果をまとめ現在、論文投稿の準備を行っている。文献収集に合わせて、収集した量的データから、研究に関する新しい知見を得ることを目的に、在日コリアン高齢者の抑うつ傾向の関連因子の再分析を行った。結果として、抑うつ傾向者が47.8%にみられた。抑うつ傾向者は、朝鮮半島で生まれ日本に移民した在日コリアン1世高齢者(65.6%)が、日本で生まれた在日コリアン2世高齢者(42.0%)に比較して有意に高く、年齢、性別、出生地、治療中の疾患と婚姻状況に関係なく、家族親戚と電話などの間接的なやり取りをする頻度、友人と直接会う頻度、友人と電話など間接的なやり取りをする頻度、外出頻度、また、趣味を楽しむ機会が少ない群ほど抑うつ傾向の割合が有意に高くなる傾向がみられた。在日コリアン高齢者の精神的健康の保持増進のためには、在日コリアン高齢者が家族友人と交流を持つ機会を作ることや、高齢者が近隣で社会活動を確保できる場所づくりが必要であることが示唆され、この結果は論文にて研究報告を行った。しかしながら、これらの傾向が、在日コリアン独自の結果なのかを明らかにするには、日本人高齢者、韓国人高齢者との比較をするなど再検討する必要がある。そのため、日本人高齢者との量的な調査データの比較を行いつつ、在日コリアン介護施設における参与観察、インタビュー等質的な調査も同時に行い、研究2年目には韓国にて質的、量的調査を行うため、関係機関と研究計画など調整を行っているところである。研究結果は随時学会等で発表を行う予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の計画は問題なく終了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は韓国にて質的、量的調査を行うため、研究計画に合わせ現地調査などの調整を行っているところである。研究結果は随時学会等で発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は文献等収集で旅費の申請をしていたが、研究予定の変更があり次年度に繰り越しをすることとなったため。
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Research Products
(4 results)