2020 Fiscal Year Research-status Report
競技種目特性に応じた呼吸筋トレーニングの明示:効果最大化計画
Project/Area Number |
17K13147
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
北田 友治 星城大学, 経営学部, 講師 (30761556)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 呼吸筋 / 長距離ランナー / 運動パフォーマンス / 呼吸循環応答 / トレーニングデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
競技種目の特性を考慮することでトレーニング効果を最大化させることは、競技パフォーマンス向上のために極めて重要な課題である。この課題を呼吸筋トレーニングに着目して達成していくために、陸上競技の長距離種目に適した呼吸筋トレーニング法を、代表的な2種類の呼吸筋トレーニングによる競技パフォーマンス向上効果を介入前後で比較調査することで検討した。今年度は、昨年度に調査した研究データの解析を進めるとともに、研究の補足データ取得のために研究倫理申請書を改めて作成・提出し、一般審査を介して研究許可された。 陸上競技の長距離種目を専門とする大学アスリート17名を対象に、競技(5000m走)記録および最大酸素摂取量を考慮したうえで、吸気への圧閾値負荷による吸気筋力のトレーニング(IMT群)と、再換気バッグを用いた過換気による呼吸筋持久力のトレーニング(RMET群)の2群に振り分け、どちらの群も呼吸筋トレーニングを5回/週の頻度で7週間継続して実施させた結果、RMET群において競技記録が向上した。 陸上競技の長距離ランナーにおいては、吸気筋力の向上を主目的とする呼吸筋トレーニングよりも、呼気および吸気の筋持久力の向上を主目的とする呼吸筋トレーニングのほうが適している可能性を示唆する結果を得た。 現在、2種類の異なる呼吸筋トレーニングによる生理的適応現象の解析に加え、新しく一過性の代謝応答を調べることにより、トレーニング効果の機序をさらに補足して検討する計画で進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
代表的な2種類の呼吸筋トレーニング法の効果として、長距離アスリートの競技パフォーマンスおよび呼吸循環機能に関わる指標を比較調査することで、適した呼吸筋トレーニング法を検討するための実験をこれまでに遂行してきた。その後、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による影響で研究の実施が困難となり、当初の計画を変更せざるを得なくなった。さらに、研究計画の変更に伴う倫理審査もCOVID-19の影響を受けて特別に時間を要すこととなり、研究の実施が許可されるまでとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
変更した研究計画に基づきつつ、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の状況を鑑みながら研究対象者の安全を第一に研究を推進する。研究成果は、学術雑誌等への掲載によって公表するほか、現場の選手やコーチ等を通して発信する。
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響によって研究の実施が困難であったことが次年度使用額の生じた理由である。今後は、COVID-19の影響を受けて変更した研究計画に基づいて研究を遂行するための旅費、消耗品および謝金に使用する予定である。
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Remarks |
北田友治. 連載 呼吸筋トレーニングの基礎と実践-7 陸上競技 中・長距離走と呼吸筋トレーニング, 月刊トレーニング・ジャーナル, 43(4): 45-51, 2021.
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