2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of cooperation system to improve the QOL of childhood cancer survivors in medical care, education, and welfare
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17K13248
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平野 直樹 大分大学, 医学部, 助教 (30717997)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児がん経験者 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は平成29年度に行った患者背景の調査や支援状況に関するアンケート調査の結果と、平成30年度に行ったQOL評価シートを用いた調査の結果を比較、関連性の有無について解析を行った。差の検体にはχ2検定またはMann-Whitney U検定を、相関の検定にはSpearmanの相関係数を用いた。また教育機関へのアンケート収集を再度行った。 解析の結果、学校での困りがある群で社会面のQOLが有意に低下、行政相談の経験がある群では身体面のQOLが有意に低下していることが明らかになった。これらは教育や行政支援体制がQOLに関与する可能性を示唆するものと評価した。 また、身体面のQOLは「希望進路実現」と正、「発症年齢」「教師への説明」「欠席」「いじめ」「行政への相談」と負の相関、精神面のQOLは「入院中の病名告知」と正、調査時年齢と負の相関、社会面のQOLは「希望進路実現」と負の相関を認めた。これらより、身体症状がある小児がん経験者への教育・行政支援の充実、入院時から病状理解を促すことがQOL向上に寄与する可能性を考えた。 これらは小児がん経験者が成人期医療へ移行する際のサポート体制を構築するうえで重要な結果である。学校への適応が不十分だった場合は成人期医療への移行時に支援体制が継続されるよう適切な行政機関へ繋げる必要があり、行政側は小児がん経験者から相談があった場合、患者の身体的状況を把握しておくことが、より効果的な支援につながる可能性が考えられた。また、小児がん経験者の支援に際してQOLを向上させるには、現在の健康状況や就学時の様子、患者自身の疾患の理解度を各機関で把握しておくことが重要であると考えた。
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Remarks |
2019年10月19日開催 がんの子どもを守る会九州北支部 第49回講演・交流会 演題「小児がんを抱えるこどもとその経験者のQOL改善に向けて」
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Research Products
(1 results)