2017 Fiscal Year Research-status Report
言語景観を教材とした社会文化的理解を目指す内容重視型日本語教育の研究
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17K13490
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
磯野 英治 名古屋商科大学, 商学部, 講師 (50720083)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語景観と日本語教育 / ビデオ教材 / CBI / カリキュラム / 社会文化的理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)研究代表者が先駆的に取り組んでいる「言語景観を活用した内容重視の日本語教育」を体系的に発展させ、誰にでも利用できる革新的で汎用性のある教育・学習カリキュラムと教材を開発し、(2)開発したこれらのコンテンツを誰にでも活用可能な形で公開して、日本語教育界におけるカリキュラムの拡大と新しい幅を提供するとともに、日本語学習者の日本語に対する社会文化的理解に寄与することである。これに関連して、以下が現在までの研究実績となる。 <理論的枠組みの整理とカリキュラムの検討に関する研究> 研究代表者らが既に制作していた言語景観ビデオ教材について、その制作と公開、およびビデオ教材を活用した授業実践を本テーマとの関連からまとめ、論文として成果を発表した。また、電気・サブカルチャーの街や外国人集住都市など、特徴のあるエリアの言語景観データを収集し、地域類型論や多文化共生の観点からまとめ、その研究成果を学会発表や論文執筆によって公開するとともに、日本語教育への応用方法の検討を行った。これらについては、海外における講演でも情報共有を図り、当該研究の発信に努めるとともに、海外の教育での活用について意見交換を行っている。 <ビデオ教材の制作に向けたデータ収集> 必要な言語景観データの収集を国内外で行い、データの拡充と整備をした。その過程において、次年度に計画しているビデオ教材の制作に関して、ビデオコンテンツとカリキュラムの基本的な設計を行い、決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要】に示したように、次年度のビデオ教材制作に向けた準備である「ビデオコンテンツ・カリキュラムの検討」と「関連する言語景観データの収集」という二本の柱について、研究成果を伴った進捗状況であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は、以下のとおりである。 1.設計・開発したビデオ教材のコンテンツ・カリキュラムについて、さらに妥当性および教育効果を検証するため、学会発表を中心に行い、内容を深める。 2.上記で得られたフィードバックをもとに、カリキュラムや授業実施について再度の検討を行った上で、各学習項目(毎回の授業)に沿った内容のショートビデオを組み合わせたビデオ教材を制作する。 3.制作したビデオ教材の公開、および授業実践を行う。その上で、これらを学会発表や論文にまとめ、成果を発信する。
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Causes of Carryover |
次年度に制作予定のビデオ教材について、その制作費用が想定よりも多くかかることになったため、今年度分の予算を次年度に活用することとした。 使用計画として、その大部分は「言語景観を活用した内容重視の日本語教育」に関連した教材、すなわち各学習項目(毎回の授業)に沿った内容のショートビデオを組み合わせたビデオ教材の制作費用にあてることとする。
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Remarks |
当該研究者が開設しているホームページの「研究業績」欄で、これまでの研究成果の一部をPDF等で閲覧可能。
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Research Products
(8 results)