2017 Fiscal Year Research-status Report
Legal System of EU Telecommunication Law and Administrative Organizations-Suggestion to Japanese Law from the Transition of the Legal System and Institutions and Future Perspectives-
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17K13610
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
寺田 麻佑 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (00634049)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 行政組織 / 独立行政機関 / BREXIT / EUテレコムポリシー / 技術と規制 / 専門性と公法学 / 第三者機関 / AI(人工知能)と法 |
Outline of Annual Research Achievements |
EUにおいては,様々な法整備と規制を行う行政組織も含めた法的枠組みの検討が進められている。このような状況のなかでも、特にAI(人工知能)や自動運転の状況について、どのような規制枠組みを構築し、どのような行政組織によって調整を図るのかということに関する個別具体的な検討とともに、枠組み構築の在り方に関する制度の研究を行った。また、情報通信分野におけるIoTやAIに関する法的枠組みを考えるにあたっては、我が国における状況や規制の在り方のみを考えるのではなく、国際協調的な視点が不可欠であることから、様々な先進的取り組みをおこなっている国の研究者を日本に招聘し、対話を深めることを進めるため、EU情報通信行政に関係する海外の研究者との対話を進める公開研究会、公開講演会等の企画を立て、実行することができた。平成29年度においては、研究代表者がザールラント大学においてAIと法と法整備に関する検討を含めた日本と欧州の整備状況に関する講演をおこなったほか、国内外の学会において、関連するテーマで規制機関や独立行政機関、第三者機関のあり方に関する発表を行った。また、国際基督教大学においてザールラント大学のゲオルク・ボルゲス(Georg Borges)教授によるLiability for Autonomous Vehiclesと題する公開講演会を平成30年2月14日に開催し、広く様々な分野の研究者等と議論をおこなうこともできた。また、テレコムポリシーの観点からは、平成30年3月25日に相模女子大学で開催された国際ワークショップ'Spectrum Management Policy in the 5G Era'において、 'Effective Utilization of Frequency-Frequency Allocation System and Possible Audit by a Third-Party Institution -'と題する報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度においては、当初の計画通り、研究協力者の板倉陽一郎弁護士や成原慧東京大学客員研究員(現九州大学准教授)と様々な研究会合を行ったほか、研究発表、公開講演会などを協力しておこなうことができた。また、適宜、宍戸常寿東京大学大学院法学政治学研究科教授に研究内容に関する助言を受けた。その結果、自動運転やAI、個人情報保護や第三者機関、独立行政機関に関する分野ごとの問題点を深めることができたほか、EUにおけるテレコムポリシーや情報通信技術の規制の現在の枠組みに関する議論や規制枠組み構築の在り方に関して、欧州の状況だけではなく、米国における動向なども含めて最新の議論を整理することができた。これらの成果は、様々なシンポジウムにおいて現在進行形で発表しているほか、論文にまとめている。また、国際的発信の強化の観点からも、できる限りEU情報通信法制と関連するAIや自動運転の諸問題に関する全体的な制度枠組みに関する英語による報告と発表を心掛け、実際に国内外において英語による公開講演等の企画を立て、実行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度に研究を進めた内容に関する論文の公表をおこなう。また、BREXITに関するイギリスとEUの関係も含めて、公法学の観点から規制と制度の在り方について本研究課題の問題状況を議論するために、2018年12月には、ロンドン大学SOASのPeter Leyland教授(Public Law担当教授)を国際基督教大学に招聘し、権力分立の観点から独立行政機関の問題を含めた行政機構の在り方や司法審査の役割に関する議論を検討する公開講演・国際ワークショップを開いて各研究者と議論を深めるほか、平成29年度においても協力して研究を行っていた、ドイツのザールラント大学のゲオルク・ボルゲス教授とともに、ザールラント大学にて研究を進め、ザールラント大学において国際ワークショップを企画するほか、日本においても、AIと法と規制機関に関する国際的会合を開く予定である。
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Research Products
(27 results)