2018 Fiscal Year Research-status Report
Legal System of EU Telecommunication Law and Administrative Organizations-Suggestion to Japanese Law from the Transition of the Legal System and Institutions and Future Perspectives-
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17K13610
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
寺田 麻佑 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (00634049)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 行政組織 / 独立行政機関 / BREXIT / EUテレコムポリシー / 先端技術と規制 / 専門性と公法学 / 第三者機関 / AI(人工知能)と法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会は、様々に複層化、複雑化しており、瞬時に多様かつ膨大様々な情報が世界を巡り、その技術を利用した様々な企業によって私たちの情報が取得され、利用されている状況となっている。そのようななか、特にEUにおける規則制定は、日本を含め、様々な影響を国際社会に与えていることが改めて明らかとなった。平成30年度においては、EUにおける事例の積み重ねとともに、EUにみられる柔軟な調整機関・規制機関の設立の在り方、他国に影響を与える立法状況を、BREXITの現状と法的課題、影響とともに分析をおこなった。具体的には、研究代表者がザールラント大学(ドイツ)においてEUのGDPR(欧州一般データ保護規則)に関する検討と対応を含めた日本と欧州(EU)の整備状況に関する招待講演を行ったほか、国内外の学会において、関連するテーマで、規制機関や独立行政機関、第三者機関の在り方に関する検討発表を行うと同時に、国際Workshopを国際基督教大学ほかにおいて行い、AIやビッグデータの規制の在り方、そしてEUの規制状況とBREXITとの関係についても検討を深めた。その結果、EUにおける特にGDPR(欧州一般データ保護規則)やその他規制状況は刻々と変化しており、さらに、それらが日本にも影響を与えていること、さらに、BREXITとEUにおいて制定される規則の関係などは、EUにおいても法的問題が山積しており、現在進行形で検討が進められてい検討状況とEUの規制の影響に関する状況を検討することが、日本においても調整的機構・新たな柔軟な政策形成の在り方―ガイドライン的な枠組みも含めたソフトローの在り方やハードローとの関係なども含めた枠組み―を考えるにあたって重要であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成30年度においては、当初の計画以上に、BREXITとEUにおける規制状況と日本への影響を考えるにあたり、ロンドン大学東洋・アフリカ研究院(SOAS)の公法学担当のピーター・レイランド教授を招聘することができ、日本において、連続公開講演・公開研究会や国際Workshopを行うことができた。具体的には、中央大学の日本比較法研究所とも協力し、平成30年12月18日に中央大学において、「審判院:形式、機能および絶え間なき改革?」と題する公開講演をおこなったほか(逐次通訳を研究代表者が担当した)、国際基督教大学の社会科学研究所と連携して、Brexit and the UK: Constitutional Consequencesと題する公開講演2018年12月21日に開催したほか、Workshop on Comparative Study of Judicial Review: The U.K., EU, Japan, and the U.S.を同日に、研究代表者のほか、木下昌彦准教授(神戸大学)や徳本広孝教授(中央大学)、松尾剛行弁護士などの参加を得て開催し、Brexitの問題の検討下でのBrexitの立法的な結果とEUとの関係について最先端の議論を日本において紹介し、法的問題を検討することができた。また、2018年12月22日には、第一法規において、「司法審査と行政裁量:司法の関与に対する限界の設定について(Judicial Review and Discretionary Power: Setting the Boundaries for Judicial Intervention)」と題する講演も行うことができた。その他、国際的発信の観点から、EU情報通信法制と関係する全体的制度枠組みに関する英語による報告と発表を、国内外の国際学会において、頻繁に行うこともできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成30年度に研究を進めた内容に関する論文の公表を行うほか、EUにおけるGDPRに関する問題とその影響を深く検討するため、比較法学会第82回学術総会(東北大学)において、曽我部真裕教授(京都大学)、成原慧准教授(九州大学)、大西楠テア准教授(専修大学)とともに「プライバシーと個人情報保護法制の国際比較-GDPRへの対応を中心として-」とするミニ・シンポジウムを企画し、企画責任者として司会とともに、「EUと日本における個人情報保護法制の比較と課題」に関する発表と検討をおこなうほか、EUにおける規制の状況やビッグデータの取扱い、EU情報通信法制の最先端の状況を検討するために、カッセル大学(ドイツ)のアレクサンダー・ロスナーゲル教授を招聘し、独立行政機関の問題を含めた行政機構の在り方や、先端技術と規制の在り方に関する具体的な検討を日本において検討を進める予定である。また、平成29年度、平成30年度においても協力して研究を行っていた、ドイツのザールラント大学のゲオルク・ボルゲス教授とともに、ザールラント大学においても研究を進める予定であるほか、京都大学の原田大樹教授とも協力して、複層化・複雑化の進む国際的な規制の在り方とEU情報通信行政からみた日本における規制の在り方について、詳細な検討を進める予定である。その他、国際学会等における発表や、国内学会における発表も引き続き積極的に進めるほか、国内外の研究者と議論を深め、EU情報通信法制と日本の具体的な問題状況との関係の議論を深め、具体的な問題状況を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
謝金支払いの手続きが終了しなかったため、次年度に繰り越している。もともとの予算はそのまま計画通りすべて使用する予定である。
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Research Products
(39 results)