2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者介護施設職員に対する神経心理学的知識の教育プログラムの開発と効果検証
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17K13943
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大庭 輝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60783412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護職員 / 認知症 / 知識 / 教育訓練 / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の、プログラムに用いる教材開発の遅れに伴い、今年度は介護施設職員の認知症に関する知識量と学習状況に関する調査を行った。近畿圏内にある9つの高齢者施設に勤める介護職員名を255名を対象とし、222名から調査票を回収した(回収率87.1%)。そのうち、調査への同意が得られたものは178名(承諾率80.2%)であった。調査票は施設の担当者宛にまとめて郵送し各職員への配布を依頼したが、回答への圧力を防ぐために調査票と共に封筒を用意し、提出時には封をするよう求めた。調査項目は、基本属性に加えて認知症に関する知識量及び自発学習、非自発学習の頻度について尋ねた。学習形態を説明変数、認知症の知識量を基準変数とし、性別や年齢、雇用形態などの基本属性を統制変数として加えた重回帰モデルでは、いずれの変数も有意な影響を示さなかった。 以上の結果から、行動指標に関する主観的な評価だけでなく、学習の目的や動機づけなど、心理的な変数を含めた検証が必要であると考えられた。本調査の知見を基に、教育プログラムの効果を測定する際の評価項目について再考する必要性が考えられた。本調査の結果は2019年5月に開催される第20回認知症ケア学会大会で発表予定である。教育プログラムに用いる教材については概ね完成しており、今後印刷及び介入調査のための倫理審査申請の準備を進めていく予定である。また、プログラムの社会実装に向けて出版社等企業に対して教材の説明をした。また、シカゴで開催されたAlzheimer's Disease International 33rd Conferenceに出席し、教材の一部として用いている認知症ケアのアセスメント方法について紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育プログラムに用いる教材が細かな修正を残して概ね完成しており、効果評価にむけた介入調査の道筋がついた。また、本年度に行った調査結果から、当初予定していた効果評価の項目について再考する必要性があるという、今後の調査に有益なデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、開発した教材を用いた介入調査を実施し、プログラムの効果評価を行う。
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Causes of Carryover |
前年度の計画の遅れから、本年度は認知症に関する知識調査を行った。そのため、効果評価時の調査にかかる印刷費や人件費、謝金を使用しなかったため次年度使用額が生じた。繰越分は次年度の調査における教材の印刷費や郵送費、人件費及び謝金に充てる。
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Research Products
(4 results)