2020 Fiscal Year Annual Research Report
Numerical Study of Gas Accretion onto Black Hole and Neutron Star
Project/Area Number |
17K14260
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
高橋 博之 駒澤大学, 総合教育研究部, 講師 (80613405)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ブラックホール / 中性子星 / 降着円盤 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホールや中性子星といったコンパクト天体を取り巻く降着円盤は、コンパクト天体にガスが降着することでエネルギーを解放して活動性を維持している。とりわけ超高度X線源は非常に明るく輝くため、大量のガスが降着する超臨界降着状態にあると考えられる。このような超臨界降着が起きている天体現象が、その中心に中性子星を持つのか、またはブラックホールを持つのか、さらにブラックホールの場合、その回転速度はどの程度なのか、を観測的に調べることは難しい。そこで本年度は一般相対論的輻射磁気流体コードを用い、中性子星及びブラックホールへの超臨界降着現象を幅広いパラメータ範囲で行った。 中性子星においては中性子星磁場強度とガス降着量をパラメータとして計算を行った。その結果、円盤によるガス降着は中性子星磁場によってせき止められて磁気圏を形成するが、磁気圏の大きさは磁場強度が大きいほど、また降着するガスが少ないほど大きくなることを示した。これらの結果は2018年に発表した解析的な研究と定量的に一致する。噴出流に着目すると、円盤から噴出する噴出流と、中性子星に降り積もったガスが形成する降着柱を起源とする噴出流が存在することがわかった。これらの噴出流は異なる角運動量や開口角を持つため、噴出流から中心天体の起源に迫る事ができる可能性を秘めている。 ブラックホールにおいてはブラックホールの回転速度をパラメータとして計算を行った。超臨界降着では円盤からの大量の放射によって噴出流が形成されるが、ブラックホールが回転している場合、磁場を通したブラックホールの回転エネルギーの引き抜きが起こり、磁気優勢噴出流が形成される。本計算ではブラックホールのスピンパラメータが0.75程度では輻射優勢であったが、磁気的な噴出流の強度はスピンに強く依存するため、より速く回転している場合には磁気優勢な噴出流が期待されることがわかった。
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Research Products
(28 results)