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2017 Fiscal Year Research-status Report

透過超音波パルスを用いた粘稠性評価

Research Project

Project/Area Number 17K14617
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

門脇 廉  九州大学, 工学研究院, 助教 (10735872)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords粘度 / せん断粘度 / 超音波 / 非破壊検査
Outline of Annual Research Achievements

本研究は粘稠状物質がもつ流動性と付着性を広帯域超音波パルスによって測定することを目指している.超音波パルスを使うことで剛な容器の内部の液体の物性を測定できると期待される.そのため,本研究では自作のアクリル製容器に液体を入れ,容器の外から著音波パルスを投射している.
本年度はいわゆる粘度がせん断粘度と体積粘度の二つの特性からなることに着目し,水を対象としてそれらの同定を試みた.その結果,せん断粘度は概ね同定可能であるものの,体積粘度については値が2桁程度異なり,同定可能とは言い難かった.これには提案手法で用いている圧力分布の関数に不備があることや,液体と容器壁との境界における反射率と透過率が誤差を含んでいることなどが影響していると考えられる.そのため,圧力分布の関数形を見直すとともに,容器壁における透過率などを再検討している.これらの透過率と反射率が必要なのは容器外部から測定しているためであり,より基礎的な検討を行うために超音波探触子を水中に浸漬させ,容器壁の影響を排した実験も計画している.
また,液体の弾性的性質を実測できれば,粘度を算出する計算も大幅に簡素化できると期待される.そこで,新たに購入した回転式粘度計を用いて液体に作用するせん断応力を測定し,弾性的性質の評価に応用することを試みている.
このほか,上記の回転式粘度計を用いることで10000 mPasを超える高粘度の液体についても粘度を測定できるようになった.そこで,この回転式粘度計による測定値と提案手法による測定値の比較を高粘度領域まで行うべく実験を試みている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初,提案手法と比較するリファレンスとして動的粘弾性測定法を利用する計画を立てたが,機器が高額で購入を諦めた.また,研究室既存の粘度計が10000 mPasを超える高粘度を測定できない機種であったため,まずこの領域の粘度を測定できる粘度計を購入することとした.
研究は液体の2種類の粘度のうち体積粘度の同定を狙って基礎的な検討を進めているほか,上記の粘度計をリファレンスに用いて提案手法を高粘度領域へ拡張しつつある.しかし,いずれも粘度の同定を第一としており,当初の研究計画で狙っていた弾性的性質の評価や同定まで至っていない.
また,巨視的に流動性や付着性と称される性質と提案手法で得られる結果との対応関係にも未知の部分がある.提案手法では粘度を同定する前段階として1次元の集中系モデル上で減衰係数を同定しているため,これと上記の巨視的性質との関係にも注目している.

Strategy for Future Research Activity

現在の課題は,(1) 体積粘度の同定,(2) 液体の弾性的性質の同定と評価,の2点に大別される.これらに対して以下のような方策を立てて推進する予定である.
(1) 提案手法では液体中を超音波が伝播する際の圧力分布関数を仮定しているため,その改善を行う.また,液体中での超音波の減衰をより高精度に求められるよう実験系を改善する.対象とする粘度の範囲についても,本年度購入した粘度計をリファレンスに用いることで高粘度側へ拡大する.提案手法による同定結果と粘度計の測定値とを従来より広い範囲で比較できることは,同定精度の定量的な評価にも有効に働くと期待される.
(2) 液体の弾性的性質を巨視的,微視的の2方面から考察する.巨視的な性質は液体中で剛体円筒を回転させて得られるせん断応力と変位から求める.微視的な性質は波動伝播シミュレーションに用いる弾性係数との比較から求める.
また,本研究では1次元の波動伝播シミュレーションを利用しているが,合わせて当研究室に導入されている超音波伝播シミュレーション用有限要素解析ソフトも活用する.

Causes of Carryover

(理由) 353970円の未使用額が生じた理由は,当初購入予定だった動的粘弾性測定装置が高額で購入できず,別の機器(回転式粘度計)を購入したためである.この回転式粘度計は動的な弾性の測定はできないものの,巨視的な変形によるせん断応力を求められるため,本研究に資すると考えた.また,当研究室に既存の粘度計では10000 mPasを超える高粘度の液体の粘度を測定できなかったことも,この回転式粘度計を購入した理由である.
(使用計画) 粘弾性体の巨視的な荷重-変形関係を捉える目的で,シンプルな引張と圧縮を行う荷重試験機の購入を計画している.また,粘度計校正用標準液が劣化しているため,その購入に充てる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 Other

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Liquid Viscosity Evaluation using Ultrasonic Pulse2017

    • Author(s)
      Ren Kadowaki, Naoki Otsubo, Takumi Inoue, Kazuhisa Omura
    • Organizer
      The 17th Asian Pacific Vibration Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 超音波パルスを用いた容器内液体の粘度検査2017

    • Author(s)
      門脇 廉, 大坪 直樹, 井上 卓見, 大村 和久
    • Organizer
      Dynamics and Design Conference 2017
  • [Remarks] 九州大学構造動力学研究室ホームページ「超音波を用いた粘度検査と粘度測定」

    • URL

      http://dynamic.mech.kyushu-u.ac.jp/Re_Viscosity_evaluation.html

URL: 

Published: 2018-12-17  

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