2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of reinforcing effect of thermoplastics by nano-sized fiber dispersion using new mechanical models
Project/Area Number |
17K14818
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高山 哲生 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 助教 (30550991)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ繊維 / 複合材料 / 力学特性 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,申請者が独自に考案した力学モデルを用いてナノ繊維分散による熱可塑性高分子の強さ向上機構を解明することである.平成29年度は1種類の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)が分散したナノ繊維強化熱可塑性高分子(NFRTP)の降伏条件が負荷速度によらずMWCNTの破断によることを示唆した.具体的にはNFRTPの静的3点曲げ試験を行い,曲げ降伏開始応力と曲げ弾性率の関係を求め,両特性の間に比例関係が成立したこと,そして,NFRTPの動的破壊靭性が対数複合則を適用することで予測可能であったことの2点から,この示唆を得た.さらに,3点曲げ試験から得られた曲げ降伏開始応力と曲げ弾性率の関係より,その比例定数がMWCNTの破断伸びに対応することも示唆された.この結果はNFRTPの3点曲げ試験を行うことで,その結果からナノ繊維の破断伸びを推測できることを示唆している.この手法が確立すれば,従来測定が困難とされるナノ繊維の物性評価を容易に推測できるようになる. さらに,ガラス繊維強化熱可塑性高分子(GFRP)にMWCNTを極微量分散させることで同材料の降伏応力が向上することを見出した.この機構について,ナノサイズであるMWCNTがガラス繊維の周りに分散しており,これがガラス繊維/母相界面の強さを向上させていることを示唆した.この機構による界面強さ向上は極微量のナノ繊維添加で可能であり,かつ母材に依存しないと考えられるため,本成果は汎用性に富んだ繊維強化材の補強技術としての発展が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は平成29年度で多様なプラスチックを用いたNFRPを検討する予定であったが,MWCNTの分散技術の確立に時間がかかったため1種類のプラスチックしか検討できていない.また,動的粘弾性評価を行う予定であったが設備導入・測定技術確立に予想以上の時間がかかったため,平成29年度では未実施であった.しかしながら,GFRPの補強材としてMWCNTが有効であることを見出した点を考慮し,現状ではおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
MWCNTの分散技術や動的粘弾性の測定技術については平成29年度末に確立できた.したがって,平成30年度はこれら未実施の項目を補完しつつ,当初の計画を実施していく.さらに平成29年度に見出した繊維強化材の強化材としての可能性についても追及していく.
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Causes of Carryover |
平成29年度において,望外にGFRPの補強材としての可能性が見出された.この成果に関する発表を追加すべきと考え,平成30年度は研究成果を発表する機会を当初の予定より増やす必要があると考えた.したがって,学会発表に費やす旅費が当初の予定より多くかかることを想定し,平成29年度分を次年度に繰り越すこととした.
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Research Products
(7 results)