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2017 Fiscal Year Research-status Report

New Approach to Aryl C-Glycosides Based on SNAr Reaction/Claisen Rearrangement Sequence

Research Project

Project/Area Number 17K15425
Research InstitutionTokyo University of Pharmacy and Life Science

Principal Investigator

藤本 裕貴  東京薬科大学, 薬学部, 助教 (30779856)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords有機合成化学 / 有機反応学 / 芳香族合成
Outline of Annual Research Achievements

芳香環炭素とグリコシル基のアノマー炭素の間で炭素-炭素結合をもつアリールC-グリコシド類は, その興味深い生物活性や複雑な構造により注目を集めてきた。本研究は,従来グリコシル化の段階でしばしば利用されたLewis酸を用いない,新たなグリコシル化法の開発を目指すものである。
本年度ははじめに,C-グリコシル化への応用に先立ち,SNAr反応とClaisen転位反応を利用するプレニル化について検討を行った。すなわち,種々の1-フルオロキサントン誘導体に対し,1,1-ジメチルアリルアルコールを塩基性条件下で作用させSNAr反応を行ったのち,Claisen転位反応を行い,2-プレニルキサントンを得ようというものである。検討の結果,従来合成が困難であったC1位にジメチルアリルエーテル構造をもつキサントンが,SNAr反応を利用することで容易に合成できることや,1位からC2位へのClaisen転位反応が通常の芳香族Claisen転位反応に比べて格段に進行しやすいこと,さらに適切な固体酸触媒を使用することによってClaisen転位反応が室温ですらも進行することを見いだした。また,本手法は3-フルオロキサントンにも適用可能で,この場合にはC4位へのClaisen転位反応が選択的に進行することも判明した。そこで本手法を2位および4位にプレニル基をもつ天然キサントンgarcinone Aの合成へと応用し,その効率的な全合成に成功した。
さらに,当初目的としていたグリコシル化についても,4位および6位が保護されたグルカールによるSNAr反応とClaisen転位反応について検討を行い,高収率で対応する生成物を得ることに成功している。この際,問題となる立体選択性は93:7程度と十分に高く,グリコシル化法として十分に利用可能であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は,従来のグリコシル化法と相補的に利用可能な新たなグリコシル化法の開発を目指し,SNAr反応とClaisen転位反応を利用するアプローチを提案するものである。本年度はまず,プレニル化をモデル反応としてフルオロキサントンのSNAr反応とClaisen転位反応について検討を行い,良好な結果を得た。すなわち,(1)SNAr反応,Claisen転位反応の両段階について,フルオロキサントンが予想以上の高い反応性を示すことを見いだすことに成功した。また,(2)本プレニル化法を利用した天然物garcinone Aの全合成も達成した。さらに,その検討の途上で将来的に研究発展性の見込まれる興味深い知見を得ることができた。
また,新たなグリコシル化法の開発についても,既にSNAr反応とClaisen転位反応の検討が行えており,実際に所望の反応が効率的,かつ立体選択的に進行することが明らかになった。デモンストレーションと位置づけたプレニル化について予想以上の知見が得られた
うえ,グリコシル化も合成化学的に十分活用可能であることが現段階で示せており,本研究は順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

次年度は,本年度の結果を踏まえて,グリコシル化法としての確立に向けて検討を行う。具体的には,Claisen転位後の二重結合の立体選択的変換,および種々のグリコシルドナーとの反応を重要な検討課題として位置づけ,研究を推進していく。

Causes of Carryover

当該年度中の業者への支払いが間に合わなかったため、翌年度に繰り越して支払う予定である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2018 2017 Other

All Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] イソプレノイド鎖でジェミナル二置換されたキサントンの合成法2018

    • Author(s)
      小林諒真, 渡部 結, 高橋 叶, 浅野雅之, 藤本裕貴, 矢内 光, 松本隆司
    • Organizer
      日本薬学会第138年会
  • [Presentation] SNAr反応/Claisen転位反応を利用したキサントンのC-プレニル化法2018

    • Author(s)
      望月美歩, 古川千里, 高橋 叶, 藤本裕貴, 矢内 光, 松本隆司
    • Organizer
      日本薬学会第138年会
  • [Presentation] 位置選択的SNAr反応を基盤とするキサントン類の効率的合成法2018

    • Author(s)
      藤本裕貴, 伊藤宏美,星 大樹,望月美歩,矢内 光, 松本隆司
    • Organizer
      日本薬学会第138年会
  • [Presentation] イソプレノイド置換キサントンの合成研究2018

    • Author(s)
      高橋 叶, 望月美歩, 小林諒真, 渡部 結, 藤本裕貴, 矢内 光, 松本隆司
    • Organizer
      日本薬学会第138年会
  • [Presentation] イソプレノイド修飾キサントンpruniflorone Iの合成研究2017

    • Author(s)
      高橋叶, 望月美歩, 古川千里, 藤本裕貴, 松本隆司
    • Organizer
      第73回 有機合成化学協会 関東支部シンポジウム
  • [Presentation] Synthesis of Naturally Occurring Prenylated Xanthones By Utilizing Fluoroaromatic Compounds2017

    • Author(s)
      Fujimoto, Yuuki; Watabe, Yu; Takahashi, Kanae; Furukawa, Chisato; Mochizuki, Miho; Yanai, Hikaru; Matsumoto, Takashi
    • Organizer
      26th French-Japanese Symposium on Medicinal and Fine Chemistry
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] SNAr反応/Claisen転位反応を経るキサントンのプレニル化2017

    • Author(s)
      藤本裕貴, 高橋叶, 望月美歩, 古川千里, 矢内光, 松本隆司
    • Organizer
      第43回 反応と合成の進歩シンポジウム
  • [Presentation] Claisen転位反応を利用する置換キサントンの効率的合成法2017

    • Author(s)
      古川千里, 望月美歩, 高橋叶, 藤本裕貴, 矢内光, 松本隆司
    • Organizer
      第74回 有機合成化学協会 関東支部シンポジウム
  • [Remarks] 東京薬科大学薬学部 薬品製造学教室

    • URL

      https://www.ps.toyaku.ac.jp/Org_Synth/

URL: 

Published: 2018-12-17  

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