2017 Fiscal Year Research-status Report
3次元培養細胞を用いた抗がん剤・放射線誘発口腔粘膜炎モデルの構築
Project/Area Number |
17K15532
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
村上 雅裕 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (40744420)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 口腔粘膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実施計画としては、過酸化水素添加細胞モデルと炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)添加細胞モデルの両方を作製し、モデル作製の指標として、プロスタグランジンE2(PGE2)および一酸化窒素(NO)産生量をELISA法により測定する予定であった。しかし、培養機器のメンテナンスや再生ヒト口腔粘膜上皮細胞の購入手続きに時間を要したことから、当初の研究実施計画よりも大幅に遅れが生じてしまった。また、過酸化水素の細胞への添加濃度を決定するための予備試験に多くの時間を要したことから、本年度は過酸化水素添加細胞モデルの作製に関する検討のみで、炎症性サイトカイン添加細胞モデルの作製を実施することができなかった。 過酸化水素添加細胞モデルの作製では、再生ヒト口腔粘膜上皮細胞に過酸化水素を添加することにより、PGE2およびNOの産生量が増加することを確認した。しかし、PGE2およびNOが濃度依存的に増加するのかについては確認できなかったため、再検討が必要である。 次年度は、本年度の結果より再検討が必要であると判断した過酸化水素添加によるPGE2およびNO産生量の濃度依存性の確認と炎症性サイトカイン添加細胞モデルの作製を早急に実施する予定である。その後、過酸化水素添加細胞モデルおよび炎症性サイトカイン添加細胞モデルについて、産生されるPGE2およびNOがCOX-2およびiNOSに由来するものなのか、その発現にNF-κBやMAPKの活性化が関与しているのかどうかを検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再生ヒト口腔粘膜上皮細胞は海外からの輸入品であり、発注から納品までに1ヶ月を要する上、納品日が指定されることから、実験の日程調整が難しく、研究の遅れにつながった。また、細胞培養を長期間実施していなかったことから、機器のメンテナンスに時間を取られてしまった。次年度以降は、これらの問題は生じないことから、スムーズに研究が進むと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初の研究計画よりも大幅に遅れを取ってしまったことから、今後は遅れを取り戻すとともに、当初の研究計画を遂行できるように研究を進めていく予定である。 1)炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)添加細胞モデルを作製し、モデル構築の指標としてPGE2およびNO量を測定する。 2)過酸化水素添加細胞モデルや炎症性サイトカイン添加細胞モデルで産生されたPGE2およびNOが、COX-2やiNOSに由来するものであるかを検討する。また、COX-2やiNOSの発現にNF-κBやMAPKの活性化が関与しているかどうかについても検討する。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では、過酸化水素添加細胞モデルと炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)添加細胞モデルの両方を作製予定であったが、研究に遅れが生じたため、試薬の購入を取りやめたことから、未使用額が生じた。 そのため、遅れが生じた部分は次年度に実施予定であることから、未使用分はその経費に充てることとする。
|