2018 Fiscal Year Research-status Report
3次元培養細胞を用いた抗がん剤・放射線誘発口腔粘膜炎モデルの構築
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17K15532
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
村上 雅裕 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (40744420)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究実施計画として、過酸化水素添加による口腔粘膜炎モデルのPGE2およびNO産生量の濃度依存性の確認と再生ヒト口腔粘膜上皮細胞を用いた炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)添加口腔粘膜炎モデルの作製を実施した。 過酸化水素添加によるPGE2およびNO産生量の濃度依存性の確認では、PGE2産生量に濃度依存性は認められず、またNO産生量は増加しなかった。炎症性サイトカインであるIL-1β添加口腔粘膜炎モデルの作製では、炎症の指標としたPGE2およびNO産生量いずれも変化が認められなかった。一方、炎症性サイトカインであるTNF-α添加口腔粘膜炎モデルの作製では、炎症の指標としたNO産生量は変化しなかったが、PEG2産生量は増加が認められた。すなわち、過酸化水素、IL-1β、TNF-αのうち、TNF-αを添加した場合のみPGE2産生量が増加したことから、口腔粘膜炎モデルとして使用できる可能性があることがわかった。 当初は、PGE2やNO産生量だけではなくCOX-2やiNOSのタンパク発現についても検討する予定であったが、IL-1βおよびTNF-αの添加濃度を決定するための予備試験に多くの時間を要したことから、タンパク発現の確認までは行うことができず、当初の研究実施計画よりも大幅に遅れが生じてしまった。 次年度は、口腔粘膜炎モデルの再現性の確認とCOX-2やiNOSのタンパク発現の確認およびNF-κBやMAPKの活性化の関与について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再生ヒト口腔粘膜上皮細胞は海外からの輸入品であり、発注から納品までに1ヶ月以上を要する上、納品日が指定されることから、実験の日程調整が難しく、研究の遅れにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初の研究計画よりも大幅に遅れを取ってしまったことから、今後は遅れを取り戻すとともに、当初の研究計画を遂行できるように研究を進めていく 予定である。 1)再生ヒト口腔粘膜上皮細胞を用いた口腔粘膜炎モデル作製の再現性の確認 2)口腔粘膜モデルのCOX-2やiNOSのタンパク発現の確認
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Causes of Carryover |
当初購入予定であった試薬の購入を研究の遅れにより中止したことから、未使用額が生じた。 そのため、遅れが生じた部分は次年度に実施予定であることから、未使用分はその経費に充てることとする。
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