2017 Fiscal Year Research-status Report
The development of diagnostic tool for severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS) in a SFTS-endemic area in Japan.
Project/Area Number |
17K15778
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 基弘 宮崎大学, 医学部, 助教 (90770149)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 重症熱性血小板減少症候群 / SFTS抗体 / SFTS抗原 / マダニ媒介感染症 / ELISA / ムノクロマトグラフ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
SFTS感染症の診断に使用可能な免疫血清学的な測定法を開発するため、現在までに以下の研究を実施した。①SFTSの核蛋白質(NP)および非構造蛋白質(NSs)を大腸菌発現ベクターに組換え、大腸菌で組換え蛋白質を発現させた。②組換え蛋白質を用いてウエスタンブロットを実施した結果、4例のSFTS既往患者血清の全例からNPに対する特異抗体が検出され、NPが患者抗体の検出に使用できることを確認した。一方NSsに対する抗体は検出されなかった。③患者のSFTS抗体を検出するために、精製した組換えNPを抗原にしたELISA法を作成し、SFTS感染初期より経時的に採取した数例の血清について調べた。その結果、感染初期よりNPに対する抗体が検出され、SFTSの診断に有効な方法であることが判明した。本法は非特異的反応の少なく特異性と感度が高いこと、ウイルスを可溶化した抗原液をインヒビションテストで調べたところ、他のSFTS抗原の中でも主要な抗原であることが判明した。現在ベッドサイドで測定可能な簡易抗体測定法(イムノクロマトグラフ法)を検討中である。④さらに、患者血清中のSFTS抗原を検出するための測定法を開発するため、組換えNPを免疫源としてウサギに免疫して抗体を作成した。ELISA法で30,000倍以上の高い抗体価を示す血清が得られ、この血清よりNPを固相化したアフィニティカラムを用いてアフィニティ精製抗NP抗体の精製も成功した。現在精製抗体への酵素標識を実施している。以上の通り当初の研究計画どおり進行している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SFTS患者の抗体検出法として、組換えSFTS抗原を作成し高い特異性を有する高感度の抗体測定法を確立した。本法は臨床応用に十分耐えうると考えられる。さらに同じ組換え抗原を用いてベッドサイドで実施可能な簡易測定法も開発中である。また、SFTS患者血清中のSFTS抗原を検出する方法に使用するため高力価の抗NPウサギ抗体を得ることが出来、アフィニティ抗体に精製した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発したSFTS抗体検出法が臨床応用可能か多数例のSFTS患者血清で検証する。また、簡易型SFTS抗体検出法を確立し臨床応用を目指す。さらにウサギNP抗体を用いたSFTS抗原検出法を確立し臨床応用を検討する。
|
Research Products
(1 results)