• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

RAGE-aptamerのループス腎炎に対する腎保護作用とそのメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 17K16106
Research InstitutionKurume University

Principal Investigator

田口 顕正  久留米大学, 医学部, 助教 (10647738)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
KeywordsRAGEアプタマー / ループス腎炎 / エンドサイトーシス
Outline of Annual Research Achievements

本研究はループス腎炎に対するRAGEアプタマーの効果について検討し、臨床応用へつなげる研究である。本年度我々はSLE prone mouseであるMRL/lprマウスにRAGEアプタマーを皮下投与しその効果について検討したところ、腎機能の最たる指標である血中尿素窒素(BUN)は有意に低下し、SLEの指標となる補体C3の低下がRAGEアプタマー投与によって改善することを突き止めた。このことからRAGEアプタマーはループス腎炎の進行を抑制しうる可能性があることがわかった。さらに腎臓の組織学的解析を行ったところ、糸球体におけるワイヤーループ病変の発現がRAGEアプタマー投与により有意に消失することがわかった。さらに糸球体へのマクロファージの進入がRAGEアプタマー投与によって有意に抑制されていることもわかったことから、糸球体での炎症が抑制されていることを示唆するとともに、マクロファージが貪食する対象がRAGEアプタマーで治療された糸球体には少ないことが示唆される。
SLEによる臓器障害メカニズムはいまだ解明されていないが、現在の通説として「血中で免疫複合体が形成され組織障害を来たすわけではなく、antigenが細胞内に取り込まれ、それを認識したIgGなど宿主免疫機構が結合することにより細胞内で免疫複合体が形成され組織障害を助長する」Planted antigen説が現在有力である。この説に基づくと血管内皮細胞や尿細管細胞においてRAGEはantigenになりうるnucleosomeやRNAを細胞内に取り込む作用があり、RAGEアプタマーはそれを抑制することで細胞内における免疫複合体形成を阻害(ワイヤーループ病変の改善)している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

SLE prone mouseであるMRL/lprマウスを使用したin vivo実験は順調に進みpromissingな結果を得ることができた。腎保護効果を確認できたと同時に、肝・脾・肺においてadverse effectがないことが確認できたのは大きい。しかしながら、血中ds-DNA-antibody値はRAGEアプタマー投与群で有意に高値であり、血中nucleosome,RNA,DNAなどが細胞へ取り込まれずに血中に残存したままであるためその抗体値が増加した可能性が考えられる。仮にRAGEアプタマーを長期投与した場合に臓器保護効果は見込めるものの、SLEの病勢について更なる検討が必要である。今後の研究に関する方向性は十分な議論と考察が必要になると考えられるため、その後時間をかけ実験計画を立案しているところである。

Strategy for Future Research Activity

今後は更なるメカニズム解明を行っていく予定としているが、そのためには多くのMRL/lprマウスを購入する必要がある。なぜならば、上記に示したように血中から細胞内へのnucleosomeなどのantigenを取り込む作用をRAGEアプタマーが抑制すると、血中nucleosome値は増加しSLE全体の病勢を増悪させる可能性が考えられる。この点に関して更なる検討が必要で、現時点では血中nucleosomeをデコイ作用で除去することができるsoluble RAGEを同時に投与しSLEの病勢がどうなるか、長期的な投与によりSLEによる臓器障害がどのように変化するのかを検討する予定としている。また、血中antigenを除去する方法として血漿交換が一つのcandidateとして考えられ、マウスで行うとしたらparabiosisが一番適当かと思われるため、さらに多くのMRL/lprマウスが必要である(2匹ずつが1個体であるため)。これらの研究でRAGEアプタマーの安全性の確認と臨床応用へ向けた更なるデータの蓄積が行える。

Causes of Carryover

今年度はin vivo実験を行い、promissingなデータを得ることができた一方で、血中dsDNA抗体値がRAGEアプタマーにより増加することがわかった。このことから、次の研究計画を立案するために十分な議論と、熟考が必要であったため、少し計上した金額よりも実際に使用した金額が少なくなった。来年度は更なる研究の発展に努める所存である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] DNA-aptamer raised against RAGE improves the development of lupus nephritis in MRL/lpr mice2017

    • Author(s)
      Kensei Taguchi
    • Organizer
      American society of Nephrology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi