2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of CIDE-A on the cell survival under the chronic ER stress.
Project/Area Number |
17K16162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森下 啓明 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (20621634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット甲状腺細胞株(PCCl3)が入手困難であったため、rdw変異に伴う甲状腺萎縮症と同様に小胞体ストレス疾患である家族性中枢性尿崩症(FNDI)に対象疾患を変更し、その細胞モデルを作成する目的で、マウス神経芽腫細胞株(Neuro2A)を実験に使用した。Neuro2A細胞においても、PCCl3細胞と同様にThapsigarginによる急性小胞体ストレス刺激に対して、用量依存的、時間依存的なCIDE-A mRNAの発現亢進を確認することができた。また、CIDE-A mRNAの発現亢進が古典的小胞体ストレス応答(UPR)因子よりも早期にピークを迎えることもPCCl3細胞と同様であった。しかしながら、細胞死および細胞生存に関与することが知られるmiRNAの内、CIDE-A mRNAと相同性を持つものをデータベースから選択し、そのmiRNA inhibitorをNeuro2A細胞に導入してCIDE-A mRNA発現を検討したが、定常状態及び急性小胞体ストレス下のいずれにおいても、CIDE-A mRNAの発現抑制に関与するmiRNAを同定することはできなかった。 一方で、慢性小胞体ストレスモデルを確立するために、野生型およびFNDIの原因となる変異(Cys98Stop)バゾプレシンを安定発現させたNeuro2A細胞株を作製した。これらの細胞株間で、古典的UPR因子であるBiP及びCHOP mRNAの発現レベルに差を認めなかったが、CIDE-A mRNAの発現は変異蛋白発現株において有意に低下していた。このことは、細胞傷害性がある変異蛋白発現下における細胞生存にCIDE-Aが関与する可能性を示している。
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