2019 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanisms of pulmonary hypertension in Down syndrome by iPSC technology
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17K16261
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉辺 英世 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30791595)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 肺高血圧 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群患者由来iPS細胞については3ライン、健常者由来iPS細胞についても3ライン、さらに、ダウン症候群患者由来iPS細胞のうち、1つのラインについては、Cre-loxP系を用いてダイソミーに修正したラインを1つ作成してコントロールとして用いた。それぞれについて、既報の方法に従い血管平滑筋細胞へと分化誘導を行った。純度としては95%以上で可能であった。これらの細胞の生物学的な特性として、細胞増殖能、遊走能、接着能、アポトーシスについて解析を行った。すると、ダウン症候群患者由来の平滑筋細胞では有意に細胞増殖能が高いことが判明した。次に活性酸素種やミトコンドリア膜電位について測定したが、これについては有意差を認めなかった。RNA-seqを行い、網羅的発現解析を行った。主成分分析では特にダウン症候群患者由来と健常人由来との間で全体での発現パターンの変化は認めなかったが、細胞増殖に関わるシグナルの上昇が認められた。次に、血管内皮細胞への分化誘導を行った。これは既報のキットを用いて高純度で可能であった。ダウン症候群患者由来内皮細胞においては、細胞増殖能や接着能に変化は認めないものの、tube formationの低下が認められた。ミトコンドリア機能として、活性酸素種が有意に高く、ミトコンドリア膜電位が有意に低かった。酸素消費速度も低下していた。RNA-seqによる発現解析では、ダウン症候群患者由来と健常人由来とでは明らかに発現パターンが異なり、さらにダイソミーへのコレクションにより、発現パターンは正常化することが判明した。
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Research Products
(2 results)