2017 Fiscal Year Research-status Report
代謝イメージングによる頭頚部癌リンパ節転移の高精度の診断法の確立
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17K16449
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
音見 暢一 徳島大学, 病院, 講師 (50624110)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / メチオニン / PET/CT |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究倫理審査委員会に本研究を申請し、承認を得た。 耳鼻咽喉科、頭頸部外科の協力を得ながら、平成29年度は頭頚部癌の術前診断として、3症例に対して糖代謝を評価するF-18 FDG positron emission tomography/computed tomography(FDG-PET/CT検査)とアミノ酸の代謝を評価するC-11 メチオニン(MET)を用いたPET/CT検査の両者を行った。FDG-PET/CTとMET-PET/CTの2つの検査の間隔は最大で9日であった。それぞれ放射性薬剤を静脈から投与して経時的に撮影を行い、多時相の集積データを得た。具体的には、FDG-PET/CT及びMET-PET/CTにて各放射性薬剤を静脈内に投与してから早期(5-15 分)、中期(15-25 分)、後期(25-35 分)の各3時相、FDG-PET/CTではさらに1時間後と2時間後の2つの時相の集積を収集した。各時相での集積の程度の情報をSUVmaxという指標を用いて得た。それぞれの症例ごとに8つの種類のSUVmaxの情報が得られた。検査前の血糖値が高血糖であるなどの理由による除外症例はなく、これらの3症例はすべて本研究に登録した。 本研究に登録した3症例の病理組織の内訳は顎下腺癌、中咽頭癌、腺様嚢胞癌である。各症例の頸部リンパ節へのFDG、METの集積の評価を行い、手術による病理結果と対比した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頭頸部癌の術前診断としてFDG-PET/CTとMET-PET/CTを行ってその結果を検討する研究であり、年間20例を目標としていたが、各診療科からの頭頸部癌の術前精査の依頼が予想以上に少なかったため、3症例についてしか行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌の症例が少なく研究症例が集まらないことに対しては、頭頸部癌を扱う診療科に本研究への参加登録について患者にこちらから説明させてもらえるようにお願いすることで症例を増やしていく方針である。具体的には頭頚部外科のみならず、口腔外科にも舌癌や歯肉癌といった頭頚部癌の患者がいれば、こちらから本研究について説明させてもらえるようにお願いする。これにより症例の登録数を増やし、平成30年度の症例登録数として20を目指す。平成30年度までの症例について、FDG-PET/CTとMET-PET/CTの多時相の撮影を行うことで得られる合計8つの種類のSUVmaxを統計解析ソフトウェアであるSPSSを用いてリンパ節転移の評価に最も有用である指標がどれであるかを解析する。平成31年度も症例登録を行うが、平成30年度までの症例で解析を行い、結果を予測しておく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、当初予定していた科研費からの臨床研究保険への加入費用の支払いをしなかったことがあげられる。また、既存のパソコンを研究に用いたため、予定していたパソコン購入に使用しなかったことがあげられる。 第58回日本核医学会学術総会にて研究結果報告の第一報を行う予定であったが、報告できる症例数に達していないのでこれを行わず、Society of Nuclear Medicine Annual Meeting 2018 (アメリカ合衆国フィラデルフィア)にてPET/CTでの多時相撮影の有用性や頭頚部癌症例におけるMET-PET/CTの使用の現状に関して情報収集を行う予定である。
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