2017 Fiscal Year Research-status Report
ステントグラフト内挿術:数値による周術期の新たな下肢血流評価方法の確立
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17K16468
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 一史 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (40790051)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ステントグラフト内挿術 / EVAR / Perfusion Index / 下肢血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、平成29年度は、2014年4月から2017年3月までに名古屋市立大学病院において腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)がおこなわれ、その術中に下肢血流の評価を還流指標(PI:Perfusion Index)を用いておこなった62例について後方視的解析をおこなった。それらについて「Perfusion Index for evaluation of blood flow of the approached arteries during endovascular aneurysm repair」として日本IVR学会総会(岡山)およびヨーロッパIVR学会(CIRSE:Cardiovascular and Interventional Radiological Society of Europe)(デンマーク)で発表をおこなった。この研究成果では、下肢血流の評価においてPIとその他の評価方法の一致率が非常に高かった。そのため下肢血流評価におけるPIの有効性を一定程度確立させるものであった。これらの研究成果をもとに、論文作成を進行中である。 さらに、本研究の目的であるEVAR術中のPIとABIの対比をおこなうため、データ収集のプロトコールを関連施設とともに検討し、決定した。名古屋市立大学病院において同プロトコールを用いて、EVAR術中にPIとABIで下肢血流の評価がおこなわれた症例は2017年4月以降、30例であった。それらのうち有効なデータが得られた症例について中途解析をおこなった。しかし、下肢虚血合併症の発生した症例は無かったため正確な評価は困難であった。また、PIは症例間でのばらつきが大きく、評価方法の検討が必要と考えられた。EVAR術中の下肢虚血合併症の発生率を考慮すると、平成29年度の症例数では不足していると考えられ、今後症例の蓄積が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
名古屋市立大学病院において、2017年度にEVAR術中のPI測定が正確に行われた症例は合計30例であり、目標件数には達していない。また、下肢血流の低下が生じた症例はなく、下肢血流低下とPIおよび下肢血圧との関係を正確に評価するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
名古屋市立大学病院において引き続き症例の蓄積をおこなう。また、研究協力施設でのデータ取得が可能か調査し、症例数の増加を図る。 また、下肢血流の評価方法について他の文献を検索し、論文作成を進行する。
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Research Products
(2 results)