2017 Fiscal Year Research-status Report
脊柱退行変性により誘導される慢性炎症主体の新たな腰部脊柱管狭窄症動物モデルの確立
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17K16697
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 賢治 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60551166)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 動物モデル作成 / ラットモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象である腰部脊柱管狭窄症は、薬物治療が無効で、かつ、高齢ゆえに手術ができない場合、寝たきりにつながり社会経済的損失は大きい疾患あり、より効果的な薬物治療確立が大きな課題である。しかし薬物効果判定のための現存の動物モデルは急性炎症反応を伴い、真の脊柱管狭窄症動物モデルは未だ確立していない。以前に我々は椎間関節切除による脊柱不安定性惹起が慢性的に脊柱管狭窄を生じる事を見いだしとており、本研究ではこれらを発展させ、ヒト腰部脊柱管狭窄症の病態に即し、分子生物学的な病態解明ならびに薬物効果判定に使用できる動物モデルを確立する。 現存の動物モデルは脊柱管内にシリコンを挿入するものが主で急性・亜急性炎症を伴うものであり変性により緩徐に進行する腰部脊柱管狭窄症とはモデルと大きく異なる。本研究では関節切除による変性を手術で惹起した脊柱変形から簡便かつ慢性的に脊柱管狭窄を発症させるモデルを確立する。本方法では一定の研修を行った脊椎脊髄外科医であれば脊柱後方要素の切除という実際のヒト手術と同様の手技を用いるため簡便でありまた再現性を持ってモデルを作成する事ができること、加えて、腰部脊柱管狭窄の病態に即した動物モデルが確立される事で現存の脊柱管狭窄症類似モデルを大きく凌駕、発展しうると期待される。 初年度は研究代表者の勤務が大学ではく他院での常勤となってしまったため動物実験を行うことができなかった。時間の許す限りとしたが実際には研究を進めることが不可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年の勤務が大学病院ではなく他院となってしまったため研究にあてる時間が無くなってしまったためです。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットに対して全身麻酔下での手術を行う。種々の脊椎後方要素切除によるいくつかのモデルタイプの手術を行い、脊椎の不安定性を誘導し狭窄症の発症の程度をラットの行動解析、歩行解析により検討し、最適な動物モデルを決定する。動物モデル群と対照群との間での比較により、狭窄症の病態解明を検討する。後方要素は棘突起、棘間靭帯、および椎間関節の切除数の組み合わせによりタイプを分ける。行動解析及び歩行解析としてvonFreyテストおよびrotarodテストを用いる。病態解析については椎間板、椎間関節、黄色靭帯などの肥厚程度を組織学的に観察し、疼痛マーカータンパクを免疫組織学的に染色して検討する。また、分子生物学的に遺伝子発現としてRNAを抽出し群間で比較する。
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Causes of Carryover |
前年度で動物実験の研究ができず、繰越にて使用する予定です。
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