2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K16725
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清野 豊 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (50771200)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | β-アラニン / 脊髄後角 |
Outline of Annual Research Achievements |
βアラニンは、天然に人の体内に存在するアミノ酸の一つである。近年、様々な研究結果から、βアラニンが脊髄性鎮痛にも関与している可能性が疑われる。本研究の目的は、βアラニンが、脊髄で鎮痛作用をもつのかどうかを解明することである。 平成29年度は実験計画に基づき以下の電気生理学的実験を行った。 〇電気生理学的実験<計画>①容量反応曲線の解析:βアラニンの指摘濃度決定のため、用量反応曲線を作成する。膜電位を0 mVに固定して、投与するβアラニンの濃度を0.01 mM~30 mMまで変化させ、用量反応曲線を作成する。②関与するイオンチャネルの特定:保持膜電位を-90 mVから-70 mVまで変化させ、βアラニン誘起電流の逆転電位を検討し、関与するイオンチャネルを特定する。③関与する受容体の特定:βアラニン誘起電流が、GABAA受容体、グリシン受容体を介した反応であることが予想されるため、膜電位を0 mVに固定し、GABAA受容体、グリシン受容体アンタゴニスト投与によってβアラニン誘起電流の変化を観察することで、関与する受容体の特定を行う。④ 誘発性EPSCに対する影響:関与する一次求心性繊維を同定するため、保持膜電位を静止膜電位付近に固定し、吸引電極による脊髄後根電気刺激で誘発される誘発性興奮性シナプス後電流に対して、βアラニンが与える影響を検討する。 以上の実験から脊髄後角におけるβアラニンの作用機序が明らかになり、脊髄後角において抑制性シナプス伝達に関与していることや、関与している受容体やイオンチャネルについても特定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電気生理学的実験は当初の予定どおり進めることができた。 一方で、行動学的実験ではβアラニンの脊髄への単回注入では電気生理学的実験を反映するような実験データがとれなかった。原因は様ざま考えられるが、現在のところ持続カテーテル装置を用いた行動学的実験を検討している。また脊髄後角のβアラニンを定量評価できる方法がないかも検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降の実験計画に基づき、神経障害性痛モデルラットでも同様の電気生理学的実験を行う。具体的には、①容量反応曲線の解析:βアラニンの指摘濃度決定のため、用量反応曲線を作成する。膜電位を0 mVに固定して、投与するβアラニンの濃度を0.01 mM~30 mMまで変化させ、用量反応曲線を作成する。②関与するイオンチャネルの特定:保持膜電位を-90 mVから-70 mVまで変化させ、βアラニン誘起電流の逆転電位を検討し、関与するイオンチャネルを特定する。③関与する受容体の特定:βアラニン誘起電流が、GABAA受容体、グリシン受容体を介した反応であることが予想されるため、膜電位を0 mVに固定し、GABAA受容体、グリシン受容体アンタゴニスト投与によってβアラニン誘起電流の変化を観察することで、関与する受容体の特定を行う。④誘発性EPSCに対する影響:関与する一次求心性繊維を同定するため、保持膜電位を静止膜電位付近に固定し、吸引電極による脊髄後根電気刺激で誘発される誘発性興奮性シナプス後電流に対して、βアラニンが与える影響を検討する。これらを検討し、正常モデルラットと比較を行う。
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Causes of Carryover |
物品費は、研究施設内の他研究者の設備・物品を共用させてもらうなどして実験を進めたため、当該年度の物品経費を削減することができた。しかし、研究者の移動や、電気生理実験装置の摩耗、故障、共同利用のため同時に実験が困難など様々な問題がでてきているため、実験設備や記録装置などを新たに買いなおす必要が生じており、翌年度請求分と合わせて必要物品を補充していく必要がある。また行動学的実験での結果を反映し持続注入ポンプの使用や、定量評価を行うための機器購入を検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)