2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synergism in cardiac protection: Role for isoflurane and GLP-1 in mitochondrial dynamics
Project/Area Number |
17K16734
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浜口 英佑 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (60709575)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / プレコンディショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
吸入麻酔薬であるイソフルランを前投与によって心筋保護効果が得られることが報告された(Kersten JR et al., Anesthesiology 1996;85:794-807)。これを吸入麻酔薬によるプレコンディショニング(APC)作用という。APCのメカニズムは現在までに報告されている虚血再灌流障害に対する心筋保護のメカニズムと類似した部分が多く、それらは心筋保護作用に対して共通の経路を共有するものと考えられている。 現在までに、プレコンディショニング作用がある様々な薬剤が研究されているが、臨床応用に至っている薬剤は少ない。申請者の研究グループは、早くから吸入麻酔薬の心筋保護作用に注目し、その経路を明らかにしてきた。また、GLP-1受容体作動薬は、近年本邦においても臨床承認され糖尿病患者に対して広く使用されている。そのため、周術期患者においてもGLP-1と吸入麻酔薬との相互作用を明らかにすることは、臨床的にも極めて重要であると思われる。 本年度は、低酸素再灌流モデルにて、ミトコンドリア染色色素(MitoTracker)、光褪色後蛍光回復法(FRAP assay)を用いて各群のミトコンドリアダイナミクス(ミトコンドリアの分裂と融合)を明らかにした。分裂・融合タンパクについてイムノブロット・real-time PCRを用いて調べることで、ミトコンドリアの融合タンパクであるOpa-1が有意に増加することを明らかにした。 また、ミトコンドリア融合に関与するOpa-1の影響を明らかにするため、Opa-1 siRNAを電気穿孔法にて細胞に注入、トランスフェクションさせた細胞を用い、各群の心筋保護作用が棄却するかを調べた。 これらの結果、吸入麻酔薬の心筋保護作用にミトコンドリアも融合タンパクが重要な役割を演じていることが明らかになった。
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