2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of monitoring method of laryngeal motion in daily life using electroglottography
Project/Area Number |
17K16913
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩橋 利彦 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (00734063)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 声門閉鎖 / 電気声門図 / 高速度撮影装置 / 咳払い / 発声 |
Outline of Annual Research Achievements |
咳嗽における声門閉鎖の定量的解析法の確立を目標として、高速度撮影装置と電気声門図(electroglottography:EGG)の同期記録システムを構築し、片側声帯麻痺症例の咳払いにおける声門閉鎖の有無をEGG波形より間接的に評価できるかどうかについて検討を行った。健康成人例の咳払い時の圧縮相において、高速度撮影画像では、声帯、仮声帯、披裂喉頭蓋括約部の閉鎖が認められ、EGG信号では、EGG波形の一過性上昇が認められた。特に、高速度撮影画像における咳払い時の声帯突起の接触とEGG波形の一過性上昇が一致して認められた。そこで、このEGG信号の一過性上昇に着目し、片側声帯麻痺症例においても、声帯が閉鎖する場合にEGG波形の一過性上昇が認められると考え、その検証を行った。結果として、片側声帯麻痺症例においても、EGG波形の一過性上昇は声帯の閉鎖を反映していると考えられ、高速度撮影画像を用いた視覚認識による声帯の閉鎖の評価よりもEGG信号所見の評価の方が評価者間一致率が高い結果となった。片側声帯麻痺症例では麻痺側の披裂部が声門を覆うことがあるため、約3割の症例で声門を視認できない場合がある。そのため、本研究の結果は、咳払い時のEGG波形の一過性上昇が明確に声門を観察することができない片側声帯麻痺症例の咳払い時の声帯閉鎖能力を予測する有用な指標になり得ることを示した。その研究結果については12th Pan-European Voice Conferencesにて発表を行った。現在、客観的な音声障害の病態解明を目的に、音声障害症例(声帯結節および筋緊張性音声障害症例)を対象として、日常生活の中で声の苦痛を感じている発声状況のEGG波形を解析し、声の問題行動すなわち咳払いに相当する声門閉鎖時のEGG波形の一過性上昇のイベント数や積算値の算出を試みている。
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