2017 Fiscal Year Research-status Report
歯髄におけるKLKB1刺激によるPAR-1を介した炎症の解明
Project/Area Number |
17K17143
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
葉山 朋美 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (10778278)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | PAR-1 / KLKB1 / human dental pulp cells / COX-2 / PGE2 / calcineurin |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄の生死はその歯の寿命に大きく関与しているのは臨床上周知の事実であるが、歯髄の炎症時における細胞機能的な特徴については不明な点が多く残されている。申請者は歯髄炎の病態の確立、新薬開発、既存の薬品の応用を目的として、ヒト歯髄細胞を用いてplasma kallikrein(KLKB1)が細胞膜に存在するprotease activated receptor-1(PAR-1)を活性化させ、細胞内カルシウムイオン濃度[Ca2+]iを上昇させ、PGE2の産生を促進することを解明した。KLKB1によるPAR-1活性化におけるIL-1βやTNF-α産生、そしてCOX-2産生によるPGE2合成促進は炎症を引き起こす一方で、歯髄では修復象牙質の形成に関与する可能性がある。 本研究では、KLKB1によるCOX-2発現において報告済みのplasminと比較しながら産生機序を明らかにしていく。calcineurin(CN)で前処理したヒト歯髄培養細胞にKLKB1を添加することでCOX-2の発現がどのように変化するか遺伝子レベル(RT-PCR法、リアルタイムRT-PCR法)、タンパクレベル(Western blot法)にて確認した。 結果として、KLKB1はPAR-1 を介してCOX-2、PGE2を産生することで歯髄炎を増悪させる可能性があり、またその細胞内シグナル伝達経路においてCNが関与することが示唆された。 今後の展望として, CNは活性化することで転写因子であるNF-ATcの脱リン酸化することで核内転写因子を形成することが報告されているため, KLKB1刺激時においても同様の経路を辿り炎症性サイトカイン遺伝子のプリモーター領域を活性化させるのかを検討していく予定である
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KLKB1によるCOX-2発現において報告済みのplasminと比較しながら産生機序を明らかにしていく。CNで前処理したヒト歯髄培養細胞にKLKB1を添加することでCOX-2の発現がどのように変化するか遺伝子レベル、タンパクレベルにて確認した。しかし、KLKB1刺激時のNFATの脱リン酸化の同行確認として核タンパク質の抽出キットNE-PER Nuclear and Cytoplasmin Extraction reagents(Thermo Scientific, Massachusetts, USA)を用いて核内と核外のタンパク質量を比較する予定についてはまだ結果がでておらず、実験は遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
言語の研究の推進方向としては、KLKB1によるPAR-1活性化におけるIL-1βやTNF-α産生、そしてCOX-2産生によるPGE2合成促進は炎症を引き起こす一方で、歯髄では修復象牙質の形成に関与についての研究と、前年度にて実験予定であったKLKB1刺激時のNFATの脱リン酸化の同行確認として、核内と核外のタンパク質量を比較していく予定である。
|
Research Products
(1 results)