2018 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation for dry mouth treatment that aimes prevention of oral frailty in patients with prosthodontic treatment.
Project/Area Number |
17K17184
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00611287)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 口腔乾燥症 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢が唾液腺機能に与える影響には未だ不明な点が多い. そこで本研究は, 老化促進モデルマウスであるSenescence-accelerated mouse prone 1 (SAMP1) を用いて,加齢が顎下腺 (SMG) および耳下腺 (PG) 機能に及ぼす影響を評価した. PGおよびSMGの唾液分泌を評価したところ, SMGからの唾液分泌量はaged群において有意に低値を示したが, PGからの唾液分泌量はyoung群とaged群で同等であった. また, 組織学的評価を行ったところaged群SMGに多くのCD4陽性リンパ球浸潤を認めた. 次いで, リアルタイムRT-PCRにて唾液分泌に関わる膜タンパク質のmRNA発現量を評価したところ, TMEM16AとNKCC1の発現量はyoung群SMGとaged群SMGで同等であったが, AQP5の発現量はaged群SMGにおいて有意に低値であった. また, aged群PGにおけるAQP5, TMEM16A, およびNKCC1の発現量は, young群PGと同等であった. さらに, 炎症性サイトカインであるIL-6, 細胞周期調節に関与するp16Ink4aに関してmRNA発現量を評価したところ, aged群SMGのIL-6発現量は有意に増加したが, PGではaged群とyoung群の間に有意な差はなかった. またaged群SMG のp16 Ink4aの発現量はyoung群SMGより有意に増加を示したが, aged群PG のp16 Ink 4a発現量はyoung群PGと同等であった. 以上の結果より, 老化はPGとSMGへ異なる影響を与えることが明らかとなった. また, SMGにおいて加齢による細胞老化とそれに伴う慢性炎症が生じ, さらにAQP5の発現量が低下することにより, 唾液分泌量が減少することが示唆された.
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Research Products
(3 results)