2019 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment strategy by Platelet-rich fibrin and establishment of the new evaluation method using PET for MRONJ
Project/Area Number |
17K17229
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅香 卓哉 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80637265)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MRONJ |
Outline of Annual Research Achievements |
ARONJ発症患者の外科的治療時におけるPRF填入の実施と評価およびPRF填入によるARONJ発症予防効果に関する検討を予定した。院内での設備準備が完了し、再生医療法の施行に伴う北海道大学病院再生医療等委員会事務局での承認登録を進めたが、事務局の予備審査が進めた時点で北海道厚生局へ相談を実施したところ、全額研究費のみの診療でしか、本治療を実行が認めらないことが確定した。これにより本症例には多額の予算が必要となることから臨床研究でのPRF填入は断念する経緯となった。 そこで当院でのARONJの発生状況と治療実績に関する後視野的解析を実施した。2012から2018年までBP使用患者172例404歯に抜歯を実施した。BPは全症例の74%で休薬されており2018年以降は50%と減少傾向にあった。ARONJ発症は9/172例(5%)で、抜歯後2か月以内に治癒した治癒遅延は31/172例(18%)であり、従来の報告よりも高い傾向にあった。一方でPRFを抜歯時填入した29例では治癒遅延とARONを一切認めてない。 また、ARONJに対する治療実績として、2009から2018年までARONJに対する治療実績は109例確認できた。悪性腫瘍に関連するものは57%であり、骨粗鬆症に関しては43%であった。治療として骨粗鬆症患者77%に保存療法、23%に外科療法が行われ、悪性腫瘍では79%に保存療法、21%に外科療法が実施されていたが、転帰として骨粗鬆症の外科療法では100%治癒が認められた一方で、悪性腫瘍では69%程度しか治癒が認められていなかった。なお、保存療法では骨粗鬆症関連では64%のみ治癒と認め、悪性腫瘍では20%程度しか治癒が確認できなかった。以上より、ARONJに対する外科療法の有効性が示唆され、特に悪性腫瘍に伴うARONJ外科療法に対してのPRF填入を検討すべきであると考えられた。
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