2020 Fiscal Year Research-status Report
メディアと場面の相互連関に基づく英語定型表現の分析とインデックス化
Project/Area Number |
17K17943
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土屋 智行 九州大学, 言語文化研究院, 助教 (80759366)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 定型表現 / 英語 / 構文パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の実績は大きく分けて2点ある。1点目は、SNS上で使用される定型表現の形式とその相互行為的な機能について、類似した他の表現の生起環境と比較・検討した。2点目は、英語の動詞を含む表現を大規模なコーパスから網羅的に抽出し、その動詞を使用する構文のパターンについて検討をおこなった。 1点目について、「~って言ってた」という表現をSNS上から抽出し、その表現の主語に入る人物とその引用内容について検討をおこなった。検討の結果、特定の人物を主語とした「~って言ってた」形式には生活の知恵やアドバイス等としての機能があり、その人物と引用内容の真偽に関わらず、特定の人物が言っていたという報告形式に特定の相互行為的機能があると考察した。また、自分ではなく他の人物がその内容を発話したと報告することで、SNS上の過激な議論を避けたり、ユーモアを表出する機能があると考察した。 2点目について、英語の動詞'take'から始まる7語の連続した表現をEnTenTenコーパスから網羅的に抽出、それらの表現を単語に分割した後、各単語をスロットとして抽象化したパターンを作成し、頻度の高い構文パターンや抽象的なスロットに入る語のタイプや割合を検討した。その検討の中で、特定のパターンの構文が頻出することや、スロットの中に入る語や表現の特徴が大きく違うことが確認できた。その中で、より頻度と生産性が高く、英語教育に資する有用な表現パターンが何であるのかを探った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大によって当初予定していたデータの収集作業ができなくなった関係上、主にテキストデータを利用した分析へと研究計画を立て直した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は'take'だけでなく、他の高頻度の動詞 'have' 'give' 等を対象として同じような分析をおこない、英語教育に資する定型表現の言語資料のインデクス化を目指す。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、研究計画の変更をおこなった。変更点として、テキストデータを中心とした分析とした点がある。次年度はテキストデータからの英語教育に資する構文パターンの抽出と整理をおこなっていく。
|