2022 Fiscal Year Annual Research Report
School Education that Fosters Hope: A Focus on Evaluative Behaviors of Teachers and Children
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17K18206
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
鳥越 ゆい子 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (60550267)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 希望 / 学級内の相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで整理を進めてきた内容について、学会発表及び論文執筆をおこなうとともに、当初の観察調査の研究計画から変更し、インターネットを介したアンケート調査を行った。 学会発表は、2つおこなった。1つは、子どもが将来への希望を抱く/抱いていない背景について探った。中学校・高等学校に在学する生徒を対象に分析をおこない、経済的成功や狭義の「学力」の影響はあまり大きくないこと、一方で「決断力・意志力」や「忍耐力、努力家」であることや、自己効力感など、「非認知能力」と呼ばれるような力や社会への貢献意識を有しているか否かが関連しているという結果を得た。(「子どもの将来への希望の有無とその要因について」日本教育社会学会第74回大会発表) もう1つは、「希望(Hope)」を育てることに注力し、成功している米国のエドビジョン型プロジェクト・ベース学習を取り入れる小学校の教育環境に注目し、そこで醸成される学校文化と子どもの主体的な学習行動の関連について考察をおこなった。その結果、自分の考えを表明し、自分で学習内容や学習環境を決めることが日常化されている環境に注目した。この環境の中においては、自己対峙と同時に、他者の考えを互いに受け入れ合い、子ども達の主体的学習が実現しているのではないかと考察した。(「主体的学習はいかにして可能になるか」日本学校教育学会第36回大会発表) これらの結果をふまえ、「非認知能力」の育成と希望の有無の関連について、より詳細に調べるべく10代から30代の若者を対象に、およそ2000人規模の調査をおこなった。
これまで、新型コロナウイルスの流行により、研究期間を延長して現地での観察調査の機会を待ったが、その機会は訪れないまま、今年度研究計画を変更して調査を行うこととした。そのため、いまだ分析し切れていないデータがある。今後、これを活用してさらに研究を進めていくつもりである。
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