2018 Fiscal Year Research-status Report
The clinicopathological study of salivary gland tumors using sequential FICTION whole slide imaging
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17K18213
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
石橋 謙一郎 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (80714609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / ホールスライドイメージング / Sequential FICTION-WSI / 蛍光 in situ hybridization |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺腫瘍はその組織学的多様性のため病理診断に苦慮する。これまでに唾液腺腫瘍の特異的キメラ遺伝子とその臨床病理学的意義を解明し、特異的キメラ遺伝子による唾液腺腫瘍の亜分類化を行っている。現在、多形腺腫に関する遺伝子異常をFISH(fluorescence in situ hybridization)で症例ごとにWSI(whole slide imaging)で解析をしてきた。現在、同一組織標本上で免疫組織化学とFISHをおこないwhole slide imaging(WSI)システム(Sequential FICTION-WSI法)を唾液腺腫瘍に応用させ、多形腺腫の特異的キメラ遺伝子とタンパク発現の局在と形態の相違について細胞レベルでの解析を開始した。これにより、唾液腺腫瘍の亜分類化を進めるほか、特異的キメラ遺伝子等の遺伝子異常をHE染色や免疫組織化学による簡便な代替検査法を確立を目指している。 現在は、多形腺腫のみでの解析を行っているが、今後は多形腺腫由来癌での解析を検討する。多形腺腫は、多形腺腫由来癌という悪性度の高い腫瘍へ転化のリスクがある。多形腺腫由来癌は、その癌成分に唾液腺導管癌、腺癌NOS、上皮筋上皮癌、腺様嚢胞癌などの様々癌成分をもち、これらの成分ごとにおける、多形腺腫との関連性をキメラ遺伝子等の遺伝子異常をもとに解析を行う。また、悪性腫瘍成分におけるそれぞれがもともとの多形腺腫との関連性を確認する。これにより、多形腺腫からの癌化の予測因子を確立し、再発時の早期診断、再発および癌化のリスクのために経過観察を必要とする多形腺腫を有する患者であるかを診断可能にしていく。また、hybrid carcinomaにたいしても互いの腫瘍との関連性を明白にしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究は、やや計画に比し遅れを生じている。昨年度からSequential FICTION-WSI法による免疫組織化学およびFISH(fluorescence in situ hybridization)による同一組織解析を細胞レベルで進めていた。しかし、Sequential FICTION-WSI法の撮影が、十分な精度が得られず、解析が困難であったため、撮影のやり直しが必要となったため、研究の遅延を生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
WSI解析の問題点はその画像量が多く、またSequential FICTION-WSI法に至っては免疫染色およびFISHの解析データを個々の細胞レベルで解析が必要になり、大幅な時間がかかっている。このため、コンピューターによる自動解析システムの構築も取り入れて進めて、現在自動認識の深層学習を行っている。まずは、撮影を順調に終え、結果を出すことを優先し、このシステムによる解析と目視による解析の比較し、研究を進める予定である。現状としては今後症例数も増やし十分な検討ができるようにしていきたい。また、そのほかの唾液腺腫瘍としてhybrid carcinomaも検討に含めていく予定である。
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Causes of Carryover |
FISH(fluorescence in situ hybridization)probeの作成がBACクローンを用いて安定的に作成することが可能になり、研究費用が削減し、進めることが可能になった。しかしながら、WSIの撮影のやり直しのため、研究が予定通り進まなかったことで試薬を消費していない現状もある。今後、撮影が順調に進めると、今以上に解析がすすみ、本年度からは解析項目および染色項目が増えることが見込まれるため、より多くの試薬が必要になると考えている。
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