2018 Fiscal Year Research-status Report
MATE型輸送体のテストステロン輸送体としての生理機能解析とその阻害剤の探索
Project/Area Number |
17K18262
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
合田 光寛 徳島大学, 病院, 特任助教 (40585965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MATE / テストステロン / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
MATE(Multidrug And Toxic Compound Extrusion)型輸送体は原核生物から高等真核生物に至るまで広く保存されている多剤排出輸送体ファミリーの一つである。哺乳類においてもホモログが同定されており(SLC47)、腎臓、肝臓における有機カチオン排泄輸送体としての重要性が広く認められている。しかし、本研究では、有機カチオン排泄以外の機能、すなわち MATE 型輸送体がテストステロン輸送体として機能している可能性に注目している。これまでにマウスのMATEホモログであるmMATE2が精巣Leydig細胞特異的に発現 していることが報告されており、MATE 型輸送体のテストステロンの輸送への関与が示唆されている。また、 MATE 型輸送体の基質であるシメチジンやベラパミルについては、これらをヒトに投与した際の副作用として血中テストステロンの減少を起こす可能性があることが従来から添付文書にも記載されており、ヒトにおいても、MATE 型輸送体とテストステロン分泌との関連が強く示唆される。本研究の目的は、MATE 型輸送体 のテストステロン輸送体としての機能を明らかにすること、さらに、テストステロン分泌を効率よく抑制できるMATE 型輸送体阻害剤を探索することである。 平成30年度は当初計画に基づき、in vivo評価系を用いてMATE型輸送体の基質がラット血清中ホルモン量に影響を与えること、また、生後2週齡のブタ精巣から得られる初代培養pig Leydig細胞を用いて、MATE型輸送体の基質がテストステロン産生酵素のmRNA発現や酵素活性に影響を与えずにテストステロン分泌を抑制することも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に基づき、in vivo評価系を用いてMATE型輸送体の基質であるシメチジン、ピリメサミンの投与によりラット血清中テストステロン量が有意に減少し、MATE型輸送体の基質であるが、ホルモン系への影響が報告されていないメトホルミン投与ではラット血清中テストステロン量に有意な変化が認められないことを明らかにした。 また、生後2週齡のブタ精巣から得られる初代培養pig Leydig細胞からのテストステロン分泌がシメチジン、ピリメサミン共存下で抑制されること、さらに細胞内テストステロン量、エストラジオール量に対する影響を明らかにした。またメトホルミンではそれらに対する影響がないことも確認した。これらの薬剤がテストステロン産生酵素(P450scc, P450cl7, 3β-HSD, 17β-HSD, StAR protein)のmRNA発現や酵素活性に影響を与えずに分泌を抑制することも明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に基づき、MATE型輸送体の代表的な基質であるシメチジン、ピリメサミンと脂溶性ホルモンの輸送機構の相違点を明らかにするため、脂溶性ホルモンの結合ポケットを明らかにする。MATE型輸送体には、基質特異性の異なる3つのClassがある。基質特異性は、基質結合ポケットのアミノ酸残基の違いに由来すると考えられるので、結合ポケットのClass間の相違点を詳細に検討し、基質特異性に関与するアミノ酸残基を明らかにする。その後、ドッキングシミュレーションを用いて、Class 3特異的に強く結合する薬剤の探索を行い、その結果見出した薬剤について、これまでに確立した[3H]-testosteroneを用いたトレーサー実験の評価系を用いて、テストステロン分泌阻害能の評価を行う。
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Causes of Carryover |
実験計画は概ね順調に進んでいたが、次年度に新しいドッキングシミュレーションソフトを購入予定だったため、その購入予算の確保のため、次年度に繰り越した。 本年度は、ドッキングシミュレーションを用いて、Class 3特異的に強く結合する薬剤の探索を行い、その結果見出した薬剤について、これまでに確立した[3H]-testosteroneを用いたトレーサー実験の評価系を用いて、テストステロン分泌阻害能の評価を行う予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Evaluation of the Benefits of De-Escalation for Patients with Sepsis in the Emergency Intensive Care Unit.2018
Author(s)
Niimura T, Zamami Y, Imai T, Nagao K, Kayano M, Sagara H, Goda M, Okada N, Chuma M, Takechi K, Imanishi M, Koyama T, Koga T, Nakura H, Sendo T, Ishizawa K.
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Journal Title
J Pharm Pharm Sci.
Volume: 21
Pages: 54-59
Peer Reviewed
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対する各種5-HT3受容体拮抗薬の影響2019
Author(s)
村井 陽一, 合田 光寛, 斉家 和仁, 神田 将哉, 吉田 愛美, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真, 濱野 裕章, 岡田 直人, 武智 研志, 堀之内 裕也, 池田 康将, 石澤 啓介
Organizer
第92回日本薬理学会年会
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対する新規予防薬の有効性の検証2019
Author(s)
合田 光寛, 斉家 和仁, 神田 雅哉, 村井 陽一, 吉田 愛美, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真幸, 濱野 裕章, 生田 賢治, 岡田 直人, 武智 研志, 堀ノ内 裕也, 池田 康将, 石澤 啓介
Organizer
第92回日本薬理学会年会
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[Presentation] ビッグデータを用いたシスプラチン誘発腎障害に対する新規予防薬の探索とその有効性の検証2019
Author(s)
合田 光寛, 斉家 和仁, 神田 将哉, 村井 陽一, 吉田 愛美, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真幸, 武智 研志, 生田 賢治, 濱野 裕章, 岡田 直人, 堀ノ内 裕也, 池田 康将, 桐野 靖, 中村 敏己, 寺岡 和彦, 石澤啓介
Organizer
日本薬学会第139年会
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[Presentation] キサンチンオキシダーゼ阻害剤による新規血管線維化抑制機構の検討2019
Author(s)
近藤 正輝, 今西 正樹, 生藤 来希, 村井 陽一, 福島 圭譲, 堀ノ内 裕也, 石澤 有紀, 合田 光寛, 座間味 義人, 武智 研志, 中馬 真幸, 池田 康将, 藤野 裕道, 土屋 浩一郎, 石澤 啓介
Organizer
日本薬学会第139年会 大学院生シンポジウム
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対する新規予防薬の有効性の基礎的検証2019
Author(s)
合田 光寛, 斉家 和仁, 神田 将哉, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真幸, 濱野 裕章, 生田 賢治, 岡田 直人, 武智 研志, 堀ノ内 裕也, 池田 康将, 桐野 靖, 中村 敏己, 寺岡 和彦, 石澤啓介
Organizer
日本臨床腫瘍薬学会学術大会2019
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[Presentation] 大規模医療情報データベースを活用した抗がん剤誘発副作用に対する予防薬の探索2019
Author(s)
座間味 義人, 川尻 雄大, 新村 貴博, 合田 光寛, 岡田 直人, 濱野 裕章, 武智 研志, 中馬 真幸, 堀ノ内 裕也, 石澤 有紀, 池田 康将, 小林 大介, 島添 隆雄, 石澤 啓介
Organizer
第92回日本薬理学会年会 年会企画シンポジウム
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[Presentation] ドラッグリポジショニング手法を用いたオキサリプラチン誘発末梢神経障害の予防薬探索2019
Author(s)
新村 貴博, 座間味 義人, 川尻 雄大, 合田 光寛, 岡田 直人, 萓野 純史, 小山 敏広, 今西 正樹, 武智 研志, 中馬 真幸, 堀ノ内 裕也, 石澤 有紀, 池田 康将, 小林 大介, 島添 隆雄, 石澤 啓介
Organizer
第92回日本薬理学会年会
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[Presentation] 薬物誘発性大動脈瘤または大動脈解離モデルマウスに対するケルセチンの効果2019
Author(s)
鈴木 琴子, 石澤 有紀, 近藤 正輝, 今西 正樹, 座間味 義人, 堀ノ内 裕也, 武智 研志, 合田 光寛, 中馬 真幸, 池田 康将, 石澤 啓介
Organizer
第92回日本薬理学会年会
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[Presentation] 敗血症に対する抗菌薬の至適投与法確立に向けた研究 -TDM業務から得られた知見-2018
Author(s)
中馬 真幸, 今井 徹,栃倉 尚広, 鈴木 慎一郎, 岩渕 聡, 関本 真雄, 中山 貴裕, 座間味 義人, 武智 研志, 今西 正樹, 岡田 直人,合田 光寛, 近藤 正輝, 菊池 憲和, 吉田 善一, 石澤 啓介, 楊河 宏章
Organizer
第28回日本医療薬学会年会 シンポジウム
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対する脂質異常症治療薬の影響2018
Author(s)
斉家 和仁, 合田 光寛, 伊勢 諒, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真幸, 濱野 裕章, 岡田 直人, 武智 研志, 今西 正樹, 堀ノ内 裕也, 池田 康将, 土屋 浩一郎, 石澤 啓介
Organizer
第57回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会
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[Presentation] シスプラチン誘発腎障害に対する新規予防薬の探索と基礎的検証2018
Author(s)
合田 光寛, 斉家 和仁, 伊勢 諒, 新村 貴博, 石澤 有紀, 座間味 義人, 中馬 真幸, 岡田 直人, 武智 研志, 今西 正樹, 池田 康将, 桐野 靖, 中村 敏己, 寺岡 和彦, 石澤 啓介
Organizer
第57回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会
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[Presentation] オキサリプラチン誘発末梢神経障害の予防薬探索を目的としたドラッグリポジショニング研究 - 医療ビッグデータを活用した検討 -2018
Author(s)
新村 貴博, 座間味 義人, 川尻 雄大, 牛尾 聡一郎, 内田 真美, 合田 光寛, 岡田 直人, 今西 正樹, 武智 研志, 中馬 真幸, 堀ノ内 裕也, 石澤 有紀, 池田 康将, 石澤 啓介
Organizer
第57回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会
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[Presentation] 医療ビッグデータを活用したオキサリプラチン誘発末梢神経障害に対する予防薬の探索2018
Author(s)
新村 貴博, 座間味 義人, 川尻 雄大, 牛尾 聡一郎, 石澤 有紀, 合田 光寛, 岡田 直人, 今西 正樹, 武智 研志, 中馬 真幸, 堀ノ内 裕也, 池田 康将, 石澤 啓介
Organizer
第12回 次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム