2020 Fiscal Year Annual Research Report
Thought of Tsutaeai-Hoiku
Project/Area Number |
17K18273
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 直哉 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (70626647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育構造論 / 生活指導論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「伝えあい保育」の総決算としての宍戸健夫の保育構造論の形成過程を追跡することを主たる研究主題として設定した。宍戸の保育構造論の特徴は、保育実践記録の丁寧な読解、実践者たちとの活発な対話、共同的な保育実践研究の成果をそこに反映させようと試みたリアリズムのためだけではなく、明治期から戦後に至るまでの、日本におけるカリキュラム理論史と実践史を精緻にフォローしながら、近代日本保育史を、カリキュラム理論の蓄積・精緻化の過程として捉え、それを保育カリキュラムの発展史として再構成しようとした点にある。 1980年代初頭における宍戸の保育構造論の創出は、教育諸科学、特に生活指導論からの影響を濃厚に受けてなされたものである。宍戸の保育構造論に関する研究成果は、日本教育学会大会において口頭発表されたのち、内容を更に充実させて『社会問題研究』に原著論文として投稿・掲載された。 さらに、4年間にわたる本研究の成果の集成として、『「伝えあい保育」の人間学』という報告書を兼ねた小著を編むことができた(2021年3月公刊)。
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Research Products
(3 results)